代々木神園町

代々木神園町（よよぎかみぞのちょう）は、東京都渋谷区の中部に位置する単独町名です。この地域は「丁目」が設定されておらず、住居表示が実施されています。

地理的特徴と環境

代々木神園町は、その面積のほとんどを広大な公共施設や緑地が占めている点が最大の特徴です。北部には明治神宮の広大な森が広がり、南部には都民の憩いの場である代々木公園が大部分を占めています。西側には、青少年教育や国際交流の拠点である国立オリンピック記念青少年総合センターが所在します。さらに北西部には、馬術愛好家に利用される東京乗馬クラブや、子どもたちがポニーとのふれあいや乗馬体験を楽しめる渋谷区立代々木ポニー公園が整備されています。代々木ポニー公園では、特に小学生以下の子どもを対象とした乗馬体験が人気を集めています。

地理的には、北部および西部は同じ渋谷区内の代々木地域と接しており、南部は神南地域と隣接しています。東側は、山手線の線路を境界として千駄ヶ谷および神宮前（特に原宿エリア）と隣り合っています。都心にありながら、これほど大規模な緑地と公共空間が保たれていることは、この地域の独特な環境を形成しています。

歴史

現在の代々木神園町の町域は、住居表示が実施される以前は複数の町域に分かれていました。1969年（昭和44年）より前の時代には、明治神宮の内苑部分が「外輪町（そとわまち）」と呼ばれ、小田急小田原線に近い西側のエリアは「代々木深町（よよぎふかまち）」という町域でした。そして、現在の代々木公園の広い範囲に相当する区域のみが「神園町」という名称を用いていました。

この状況が変化したのは、1970年（昭和45年）1月1日に住居表示が施行されたことによります。この住居表示の実施に伴い、旧外輪町、旧代々木深町の一部、そして旧神園町が統合・再編され、現在の「代々木神園町」という単独の町名が誕生しました。

人口・世帯と事業所

代々木神園町の住民数は、その広大な土地の大部分が公共施設や公園であるという特性を反映し、比較的少数となっています。渋谷区が発表した2024年（令和6年）12月1日現在の統計によると、世帯数は45世帯、人口は107人です。

一方、事業所の数は、大規模な公共施設や関連組織が存在することから、従業員数は多くなっています。2021年（令和3年）の経済センサス調査によれば、この地域には27の事業所があり、そこで働く従業員数は1,324人に上ります。これらの数値は特定時点のものであり、変動する可能性があることにご留意ください。

交通アクセス

代々木神園町内には鉄道駅が設置されていませんが、周辺の複数の駅を利用することでアクセスが可能です。主な利用駅としては、JR山手線や東京メトロの原宿駅、小田急小田原線の参宮橋駅、代々木八幡駅、そして東京メトロ千代田線の代々木公園駅が挙げられます。地域内を東京メトロ千代田線が通過していますが、停車駅はありません。

道路網としては、首都高速道路4号新宿線が地域内を通り、代々木出入口や代々木パーキングエリアが設けられています。また、主要な都道である東京都道413号赤坂杉並線も通じています。

主要施設

代々木神園町内に所在する主な施設は以下の通りです。

東京乗馬倶楽部
渋谷区立代々木ポニー公園
小田急電鉄参宮橋変電所
国立オリンピック記念青少年総合センター

その他

郵便に関しては、代々木神園町の郵便番号は151-0052であり、集配業務は代々木郵便局が担当しています。この地域は、都心にありながら広大な緑地と多様な公共施設が共存する、他に類を見ない環境を持つ町として位置づけられています。

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