令和 (ゴールデンボンバーの曲)

令和（れいわ）

「令和」は、日本の異色ヴィジュアル系バンド、ゴールデンボンバーが23枚目のシングルとして2019年4月17日にZany Zapからリリースした楽曲です。前作のシングルからわずか2ヶ月という短い間隔での発表となりました。

リリースと背景

本作はCD発売に先行し、新元号「令和」が発表された2019年4月1日という記念すべき日に、主要な音楽配信サイトにてデジタルリリースが開始されました。配信と同日には、早くもミュージックビデオが公開され、その驚異的なスピードが話題を呼びました。さらに、この配信開始とほぼ時を同じくして、バンドのソングライターである鬼龍院翔は、自身が作詞・作曲した楽曲および歌詞について、営利目的を含まない形での無断使用や転用を容認するという異例の方針を表明し、ファンやクリエイターの間で大きな反響を呼びました。

シングルのフィジカル盤は、2019年4月29日付のオリコン週間シングルランキングで初登場12位を記録しました。また、楽曲は2019年シーズン途中から、プロ野球球団である福岡ソフトバンクホークスの関西地域限定チャンステーマとしても使用され、球場を盛り上げる一曲となりました。

楽曲制作のエピソード

表題曲「令和」は、そのタイトル通り、2019年4月1日に公表された新しい元号「令和」を楽曲のテーマや歌詞に大胆に取り入れています。ゴールデンボンバーは、この歴史的な発表に合わせて楽曲をリリースするため、新元号発表の直前から、楽曲の一部をあえて未完成の状態にしたまま、LINE LIVEで制作の模様を生配信するという斬新な企画を実施しました。そして、新元号が正式に発表されると、彼らはその場で未完成部分のレコーディングを敢行。その後、間髪入れずにミュージックビデオの撮影に取り掛かり、なんと発表からわずか約2時間という短時間で完成したミュージックビデオをバンドの公式YouTubeチャンネルで公開するという、前代未聞のスピードリリースを実現しました。

鬼龍院翔は、このスピーディーな制作の動機について、同時期に他バンドが「平成」をテーマにしたアルバムをリリースしたことに触発され、「自分たちが頑張れば新元号の楽曲を一番早く世に出せるのではないか」と考えたのがきっかけだと明かしています。制作手法としては、楽曲構成と映像をあらかじめほとんど完成させておき、新元号が入る箇所だけを空白にしておくことで、発表直後にその「穴埋め」を行うという緻密な準備があったことを語っています。

商業的な成果としても、本作は配信開始直後から大きな注目を集め、Billboard JAPANの週間ダウンロード・ソングチャートでは最高2位を記録しました。

シングル収録曲とその他の展開

本作のシングルには、表題曲「令和」のほか、ユニークな試みがなされた楽曲も収録されています。それは、表題曲において「令和」と歌われる箇所を、発表前の仮段階として「平成」と歌唱したデモ音源です。このデモ音源も話題となり、Billboard JAPANの週間ダウンロード・ソングチャートでは最高36位にランクインしています。

また、楽曲は音楽ゲームにも採用されています。[2019年]]10月16日に稼働を開始したコナミアミューズメントのアーケード音楽ゲーム『beatmania IIDX27 HEROIC VERSE』には、本楽曲のアレンジバージョンとなる「[[令和]」が収録され、ゲームセンターでも楽しまれることとなりました。

ミュージックビデオの話題性

先行配信と同日に公開された「令和」のミュージックビデオは、その内容と公開タイミングから大きな話題を呼びました。新元号発表からわずか1時間後という驚異的なスピードでのYouTube公開は、SNSを中心に瞬く間に拡散。2019年5月2日時点では、インターネット上のコンテンツとして7万6300シェアを記録するなど、驚異的な拡散力を見せつけました。YouTube上でも急上昇ランキングで1位を獲得したほか、公開からわずか3日後の4月4日時点で、再生回数が400万回を突破するなど、爆発的な視聴数を記録しました。

ミュージックビデオの内容も注目を集めました。メンバーが、当時社会現象となっていたDA PUMPの楽曲「U.S.A.」を彷彿とさせる振り付けを取り入れたダンスを披露したほか、メンバーの喜矢武豊が、当時の内閣官房長官であり、新元号を発表した菅義偉氏に扮して「令和」と書かれた額縁を掲げるシーンが含まれるなど、時事ネタをユーモラスに取り入れた演出が多くの視聴者を楽しませました。

テレビでの披露

本作は、新元号発表後の注目度の高さを背景に、複数のテレビ番組でも披露されました。テレビでの初披露は、2019年4月4日に放送された日本テレビ系の情報番組『スッキリ』でした。この際のパフォーマンスでは、楽曲披露中にメンバーが巨大な筆と墨汁を使い、文字通り「人間習字」として「令和」の文字を書き上げるという、視覚的にもインパクトのあるパフォーマンスを披露しました。番組内で書かれたこの「令和」の習字の実物は、番組の関連店舗である日テレ屋 汐留店にて、2019年4月4日から5月6日までの期間限定で展示され、ファンや視聴者が間近に見られる機会が設けられました。また、2019年5月10日には、テレビ朝日系の音楽番組『ミュージックステーション』でも本作が披露され、再び多くの視聴者の注目を集めました。

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