以心電信 (ORANGE RANGEの曲)

「以心電信」について

「以心電信」（いしんでんしん）は、日本のミクスチャーロックバンドORANGE RANGE|ORANGE_RANGEによる楽曲で、2004年にリリースされたアルバム『musiQ』に収録されています。この曲は、バンドのメンバー自身が出演するau by KDDIのCMソングとしても知られており、シングルとしての発売はされていませんが、CMによる影響で高い知名度を誇る楽曲です。

曲の誕生と特徴

「以心電信」は、2004年の初頭に制作され、同時期に作られた「ロコローション」とのシングル化での選択に悩んだ結果、アルバムの収録曲として落ち着きました。この曲は、ライブパフォーマンスでも人気があり、特にサビ前では観客全員が一緒に歌う恒例の演出があります。また、タイトルの由来についてメンバーは「携帯電話のCMにふさわしい名前にした」と語っています。

この楽曲は、サウンド面で電子音を効果的に取り入れた作品であり、打ち込みバージョンとバンドパフォーマンスバージョンの二つの形態が存在します。特に打ち込みバージョンに関しては、メンバーのNAOTOが制作に苦労したと言われています。サビを除いたメロディー部分は、MC担当の3人が各自で担当しており、皆が「誰かがラップを担当するだろう」と思って普通のメロディーを作った結果、ラップパートが全く存在しない、当時のORANGE RANGE|ORANGE_RANGEの楽曲としては異例のスタイルが生まれました。

歌詞の内容

歌詞のテーマは、離れて暮らす恋人同士の心のつながりに焦点を当てています。特に携帯電話のCMというタイアップを意識した内容が多く、二人は物理的には離れていても、気持ちではしっかりとつながり合っている旨が描かれています。また、『ミュージックステーション』でメンバーがこの曲を「恋人に向けたメッセージソング」と紹介したことも、印象深いエピソードです。ただし、その真意については明らかにされていません。

リリースと受賞歴

「以心電信」はリリース以来、着うたやカラオケでの人気が高まり、日本レコード協会からは着うたがミリオン、着うたフルがプラチナにそれぞれ認定されています。リリースから数年後の2006年には、リミックスアルバム『Squeezed』に石野卓球によるリミックス版が収録されるほか、2016年にはコラボベストアルバム『縁盤』にMONGOL800とのコラボバージョンが登場しました。どちらのバージョンにもPVが制作されていますが、オリジナルのPVは作られていないのが特徴です。

また、2006年公開の映画『チェケラッチョ!!』では挿入歌としても使われ、多岐にわたるメディアで活躍しています。さらに、2009年には台湾の歌手王心凌によって「心電心」としてカバーされ、国を超えての人気を示しました。

元プロ野球選手の石井琢朗が、横浜ベイスターズ時代に選手登場曲としても使用したことがあり、幅広いリスナーに愛され続けています。

収録アルバム

• - 『musiQ』
• - 『Squeezed』（石野卓球のリミックス版）
• - 『RANGE』（リマスタリング版）
• - 『縁盤』（MONGOL800とのコラボ版）

この楽曲は、時代を越えて多くのファンに支持される数少ない日本の楽曲の一つと言えるでしょう。

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