仲卸

仲卸（なかおろし）とは

仲卸とは、主に青果物、水産物、食肉、花きなどの生鮮食料品を取り扱う卸売市場において、卸売業者と小売業者を仲介する事業者のことを指します。

仲卸の役割

卸売業者から仕入れた商品を、市場内での売買参加権を持たない買付人（主に小売業者など）向けに、必要な量に小分けして販売することが主な役割です。これにより、小売業者は少量の商品でも仕入れることができ、消費者のニーズに合わせた多様な商品を提供することが可能になります。

仲卸の現状

全国の卸売市場には、多数の仲卸業者が存在します。しかし、近年では、スーパーマーケットや外食産業など、仲卸業者による小分けを必要としない大口の買い手が増加しています。これらの大口消費者は、卸売市場を経由せずに、直接生産者と取引を行うケースが増えており、市場外流通が拡大しています。

このような状況から、経営が悪化する仲卸業者も少なくありません。鮮魚については、商品の特性上、仲卸による小分け機能が依然として有効に機能しているとの指摘もありますが、全体として仲卸業者の数は減少傾向にあります。ある調査によると、平成6年から平成16年の間に、仲卸業者の数は約2割減少しています。

卸売市場における取引

卸売市場における取引は、主に以下の2つの方法で行われます。

せり取引: 卸売業者と複数の仲卸業者の間で、競りによって価格が決定される取引方法です。
相対取引: 卸売業者と仲卸業者が一対一で個別に販売価格の交渉を行う取引方法です。

卸売市場法により、市場内でのせりや相対取引に参加するには、市場開設者の許可が必要です。仲卸業者のほか、一部の大口消費者や地方卸売市場業者も、「売買参加者」として市場内での売買に参加することができます。

業界団体

仲卸業者は、品目ごとに業界団体を組織し、情報交換や業界の発展に取り組んでいます。

水産物: 全国水産物卸組合連合会（全水卸組連）
青果物: 全国青果卸売協同組合連合会（全青卸連）
花き: 全国花き卸協会

これらの団体は、それぞれの品目における仲卸業者の地位向上や、流通の効率化などを目指して活動しています。

参考文献

滝沢昭義、細川允史、甲斐諭、早川 治（編） 『食料・農産物の流通と市場』 筑波書房 2003年 (ISBN 978-4811902326)

外部リンク

農林水産省総合食料局流通課
東京都中央卸売市場
市場のしくみ
市場に関係する人達

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