仲田定之助

仲田 定之助について

仲田 定之助（なかだ さだのすけ、1888年7月2日 - 1970年11月11日）は、日本の重要な彫刻家、美術家、そして美術評論家であり、彼の業績は日本におけるモダンアートの発展に寄与しました。東京に生まれ育った彼は、錦城中学校を中退した後、実業界に進み、高田商会に勤務しました。しかし、彼の真の情熱は芸術にありました。

ドイツ留学とバウハウス

仲田は実業界からの転身を果たし、ドイツへの留学を決意します。ここで彼は、バウハウスという著名な芸術学校を訪問し、革新的なデザイン理論に触れました。帰国後の1925年には、雑誌『みずゑ』に通称「国立バウハウス」という記事を寄稿し、これが日本におけるバウハウスの最初の本格的な紹介とされています。この留学中に彼は、多様な芸術運動にも接触し、それらの文献を日本に持ち帰ることで日本の美術に新しい風を吹き込みました。

三科の解散と新たな挑戦

1925年には、美術団体「三科」が解散。その翌年、仲田は大浦周蔵や中原実とともに新たに「単位三科」を結成しました。これは、彼自身の芸術スタイルを確立するための重要なステップでした。仲田のなかで彫刻が持つ意義とその表現方法が探求され、その成果が1924年に制作したキュビスム風の彫刻「首」や「女の首」として形を成しました。これらの作品は、彼の代表作として位置づけられています。

戦後の美術評論活動

戦後も仲田は美術評論に力を注ぎ、数々の著書を執筆しました。1970年には「明治商売往来」で第17回日本エッセイスト・クラブ賞を受賞しました。この作品は、彼の考え方や美術に対するアプローチを知る上で重要な資料となっています。

主要展覧会と著作

彼の作品は多くの主要展覧会に出展され、1988年には東京都美術館や愛知県美術館、山口県立美術館などで行われた日本展に参加しました。また、著書には『明治商売往来』やその続編があり、これらは彼の思想や美術観を示す重要な文献です。

関連項目

仲田定之助の名は、荻原守衛やオーギュスト・ロダンと並べられることもあり、彫刻やキュビスムにおいて特異な存在感を持っています。彼の作品や思想は現在でも多くの人々に影響を与えています。

参考資料

『仲田定之助　付・仲田定之助日記』や「美術批評家著作選集 第18巻」といった資料が出版されており、彼の作品や活動を知るために重要な情報源とされています。彼のキュビスム風の石膏作品「頭部」は、神奈川県立近代美術館鎌倉別館での展覧会でも紹介され、現在も多くの人々に評価されています。

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