仲町貞子

仲町貞子

仲町貞子（なかまち さだこ、1894年3月22日 - 1966年6月16日）は、日本の作家であり、本名は柴田オキツです。

生涯

仲町貞子は、1894年に長崎県南高来郡大三東村（現在の島原市有明町）で生まれました。1907年に長崎県立長崎高等女学校に入学し、そこで三宅古城から和歌の指導を受けました。女学校卒業後、すぐに結婚し、しばらくの間京都市で生活した後、別府市へ移り住みました。

1925年、詩人の北川冬彦と知り合ったことが彼女の人生における転機となります。北川との出会いをきっかけに、仲町は東京へ向かいます。1929年には『詩神』に「託児所風景」を発表し、新進の女流作家として注目を集めました。1931年には『磁場』の創刊に参加し、宮本のりの筆名で「鎌」を発表しています。翌1932年には、『麵麭』創刊に際し、筆名を仲町貞子と改めました。

1936年には、小説『梅の花』を砂子屋書房から出版しました。その間、北川冬彦とは別れ、文芸評論家の井上良雄と結婚しています。1939年には随筆『蓼の花』を出版しますが、1940年に長男を亡くしたことがきっかけで、作家活動を中断しました。1966年6月16日、白血病のため72歳で死去。彼女の墓は、東京都府中市の多磨霊園にあります。

永瀬清子や井上多喜三郎などの証言によれば、仲町貞子は「正直で素直、まるで童女のように純真であり、加えて母性のもつ懐の深いおおらかさとユーモアも同居していた」と評されています。

著書

『梅の花』 砂子屋書房、1936年
『蓼の花』 砂子屋書房、1937年

関連図書

田中俊広編『感性の絵巻・仲町貞子』長崎新聞社、2004年 ISBN 978-4931493490

関連項目

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