仲立人

仲立人とは

仲立人（なかだちにん）とは、他人同士の法律行為、主に契約を結ぶための手助けを行う人物です。特に商業の分野ではブローカーとも称され、商事仲立人と民事仲立人の2つの種類に分類されています。商事仲立人は商行為を扱う者で、民事仲立人は非商業的な行為を媒介します。

商事仲立人

商事仲立人とは、法律行為が商取引である場合に、それを媒介する事業者を指します。日本の商法（商法第543条以下）によって、業務として商行為の媒介を行う仲立人に関する規定が設けられており、外為ブローカーや保険仲立人、旅行業者、宅地建物取引業者やM&A仲介業者などがこのカテゴリに入ります。

商事仲立人の義務と権利

商事仲立人には以下のような義務があります：

• - 善管注意義務（民法第656条・民法第644条）：仲立人は、依頼主の利益を守るために十分な注意を払うことが求められます。
• - 見本保管義務（商法第545条）：商品の見本を適切に保管する責任があります。
• - 契約証交付義務（商法第546条）：契約の証明書を依頼主に交付しなければなりません。
• - 日記帳作成・謄本交付義務（商法第547条）：仲立業務の記録を正確に保持し、必要に応じて謄本を提供する義務があります。
• - 氏名商号の黙秘義務（商法第548条）：仲立人は、取引の詳細を秘密にする義務を負います。
• - 介入義務（商法第549条）：必要時に、仲介した取引に介入することが求められます。

これらの義務を果たすことで仲立人は信頼を築き、クライアントに対して誠実なサービスを提供することが期待されます。さらに、報酬請求権（商法第512条・商法第550条）や、特定の状況下では給付受領権限も備わっています。

民事仲立人

一方、民事仲立人は、商行為ではない法律行為の媒介を行う者です。この場合、結婚に関する仲介業者や、商行為でない不動産取引を行う宅地建物取引業者が該当します。民事仲立人も業務を通じて商人資格を取得することが可能ですが、商法の仲立営業に関する規定は適用されません。

民事仲立人の義務

民事仲立人は、商事仲立人と同様に、次のような義務を遵守する必要があります：

• - 報酬請求権の存在：委託者に対する報酬請求権が、商行為法の適用の下で認められる場合もあります。

まとめ

仲立人は、法律行為の成立をサポートする重要な役割を果たしています。彼らの業務は商行為と非商行為に大別され、それぞれ異なる法律や義務が適用されます。仲立人の知識とスキルは、契約締結に際してのスムーズなプロセスを保証し、さらなる信頼構築につながります。

もう一度検索