企業メセナ協議会

公益社団法人企業メセナ協議会（きぎょうメセナきょうぎかい）は、日本国内において企業が芸術・文化へ貢献する活動、すなわちメセナを推進・支援することを目的として設立された団体です。企業の社会貢献と文化芸術の発展を結びつける役割を担う、民間の公益法人であり、メセナを支援するための橋渡し役（中間支援組織）として機能しています。

本協議会は1990年2月にその活動を開始しました。設立当初は、旧公益法人制度に基づく社団法人として運営され、文部科学省が主務官庁でした。その後、公益法人制度の改革に伴い、2011年1月4日付で新たな制度に基づく公益社団法人へと移行しました。この移行は、組織の公共性と活動範囲の拡大を反映するものです。

協議会の会員は多様な主体から構成されています。2012年3月9日時点では、正会員が136社・団体、準会員が38社・団体登録されていました。これらの会員には、著名な企業や企業財団だけでなく、地域の文化振興に深く関わる自治体やその外郭団体も含まれており、幅広い分野からの支援と連携を得ています。

企業メセナ協議会の活動は、企業による狭義のメセナに限定されず、芸術・文化全般にわたる広範な支援を行っています。文化芸術活動への資金援助、企業のメセナ担当者向けの研修や情報提供、企業とアーティスト間のネットワーク構築支援、メセナに関する調査研究などが主要な活動内容です。これにより、企業が社会貢献として文化芸術に貢献しやすい環境を整備しています。

具体的な支援活動の例としては、東日本大震災後の文化復興支援が挙げられます。震災発生後、協議会は「GBFund（東日本大震災 芸術・文化による復興支援ファンド）」を立ち上げました。これは、被災地域等における文化芸術活動を支援するための助成プログラムです。2012年3月15日の時点で、このファンドを通じて89件の活動に対し、総額4625万7306円の助成が行われました。特に助成対象として多かったのは、被災地の伝統文化やコミュニティの絆を支える郷土芸能や祭りの分野で、約30件が採択されました。最新の助成認定活動に関する詳細な情報は、協議会のウェブサイト内にある「メセ協アーカイブ」で確認することができます。

協議会の事務所は、2012年3月20日以降、東京都港区芝五丁目3番2号のアイセ芝ビル8階に所在しています。組織運営は、名誉会長、顧問、会長（代表理事）、副会長（執行理事）、理事長（代表理事）、専務理事（代表理事）などの役員体制によって行われています。例えば、過去には福原義春氏が名誉会長、福地茂雄氏が顧問、高嶋達佳氏が会長、秋山耿太郎氏が副会長、尾崎元規氏が理事長、加藤種男氏が専務理事を務めるなど、各界のリーダーがその運営に携わってきました。

このように、公益社団法人企業メセナ協議会は、企業の力を通じた文化芸術の振興と社会全体の豊かな発展を目指し、多岐にわたる活動を展開しています。その中間支援組織としての機能は、日本のメセナ活動の普及と質の向上において重要な役割を果たしています。

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