中間支援組織

中間支援組織とは

中間支援組織とは、多様な主体間の連携を促進し、地域社会の課題解決を支援する組織です。その役割は多岐にわたり、NPO（特定非営利活動法人）の活動支援、地域活性化、市民活動の促進など、様々な分野で重要な役割を担っています。一般的には、NPOと社会資源を結びつける仲介役として認識されていますが、その活動範囲はより広範にわたります。

中間支援組織の定義

中間支援組織には複数の解釈が存在しますが、主なものとして以下の2つが挙げられます。

1. NPO支援型: NPOと、人材、資金、情報などの資源提供者との仲介を行う組織。NPOの活動をサポートし、その成長を促進します。また、サービス需要と供給の調整役も担います。
2. 行政連携型: 行政と地域社会の間で、様々な活動を支援する組織。NPO支援を目的とする場合が多いですが、まちづくりへの市民参加を促す役割も担います。

これらの定義からもわかるように、中間支援組織は、NPOセクターだけでなく、企業、市民、行政など、多様な主体との関係性を構築し、それぞれの連携を円滑に進める役割を担っています。また、NPOセクター全体の意見を政策提言することもあります。

日本における中間支援組織の現状

日本では、NPO法（特定非営利活動促進法）の成立後、NPO法人数の増加に伴い、中間支援組織の設置が全国的に広がりました。NPOセンターやNPOサポートセンターといった名称が多く、公設・民設の両形態が存在します。

公設の中には、運営をNPO法人等の民間に委託する「公設民営」の形態も存在し、指定管理者制度の導入によって、今後さらに増加することが予想されます。中間支援組織の形態は、NPOの他、第三セクター的な機関、自治体内部組織、社会福祉協議会など多岐にわたります。

専門性も多様化しており、総合的な支援を行う組織だけでなく、国際NGO、介護保険事業者、ボランティア、まちづくりなど、特定の分野に特化した組織も存在します。

まちづくりにおける中間支援組織

中間支援組織は、当初NPO支援を主としていましたが、近年では、直接的に住民や地域に対する支援を行う事例も増えています。つまり、必ずしもNPO支援機関という形態に限らず、地域活性化やまちづくりにおいても重要な役割を担っています。

先行事例としては、世田谷トラストまちづくりが挙げられます。この組織は、自然環境、教育、地域ネットワークの形成など幅広い分野で支援事業を展開しています。また、新潟県中越地震からの復興を目的として設立された中越復興市民会議も、中間支援組織の重要な事例と言えるでしょう。

こうした中、内閣府のNPO政策においても、中間支援組織が重要視されるようになり、地方自治体への委託事業を通じて、各地で中間支援組織の設立が進められています。東久留米市、松戸市、大泉町などがその代表例です。

現在では、災害復興や、市民意識の高い自治体を中心に、行政と市民をつなぐ協働のモデルケースとして中間支援組織が注目されており、地域活性化の要として期待されています。

中間支援組織の多角的な役割

中間支援組織は、NPOと資源提供者の橋渡し役としてだけでなく、地域社会における多様な課題解決を促進する役割を担っています。例えば、地域住民のニーズを把握し、それに応じたサービスやプログラムを提供したり、地域資源を活用した新たな事業を創出したりすることも可能です。

さらに、行政と市民との協働を促進する役割も重要です。中間支援組織が間に入ることで、行政は市民の意見を吸い上げやすくなり、より市民ニーズに合った政策立案が可能になります。また、市民側も行政の政策に積極的に参加することで、より良い地域づくりに貢献できます。

中間支援組織は、地域社会を構成する多様な主体をつなぎ、それぞれの活動をサポートすることで、地域社会全体の発展に大きく貢献する存在と言えるでしょう。

関連事項

市民参加
行政参加
協働
第三セクター
1%支援制度
中間搾取

外部リンク

内閣府NPOホームページ
内閣府国民生活局市民活動促進課「中間支援組織の現状と課題に関する調査報告」
中間支援組織(インター・ミディアリー)のあり方・調査検討〈PDF〉
パートナーシップを推進する方策の提言〈PDF〉
外国籍住民と協働したまちづくりを推進するための調査と施策の検討〈PDF〉
日本NPOセンター「NPOセンター一覧」

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