伊七型潜水艦

伊七型潜水艦について

伊七型潜水艦（いなながたせんすいかん）は、大日本帝国海軍が保有していた巡潜型潜水艦の一つであり、一般的には巡潜3型とも呼ばれる。この艦級には、伊号第七潜水艦と伊号第八潜水艦の二隻が建造され、それぞれが太平洋戦争の初期から中盤にかけて活躍した。両艦は開戦時に既に就役しており、戦争中にアメリカ海軍の駆逐艦によって沈没する運命にあった。特に伊号第八潜水艦は、戦時中にドイツと日本を行き来できた唯一の潜水艦として、その業績が際立っている。

建造の背景

伊七型潜水艦は1934年（昭和9年）に建造計画が立案され、2隻が建造されることとなった。先代の伊6型（巡潜2型）を基にした改良型であり、潜水戦隊の旗艦として使用するために乗員居住区や司令官室、通信能力の強化などが行われた。その結果、計画の乗員数は100名に達し、艦のサイズも大きくなり、基準排水量は2000トンを超えた。また、船体の設計もドイツのものから自国のオリジナルへと変更された。

武装面では、先代の伊6型に装備されていた高角砲を廃止し、14cm砲が2門搭載されている。これは日本の潜水艦としては珍しい連装砲を採用している。機銃については、13mmの連装機銃が1基または2基装備され、火力が大幅に強化された。魚雷発射管は艦尾から艦首に移動され、6門が搭載された。また、後甲板には水上機を発射できる射出機と格納筒が設置されており、最大1機の水上機を搭載可能となっていた。

戦歴

両艦は太平洋戦争において様々な作戦に参加した。戦争開戦時、伊号第七潜水艦はハワイ作戦に参加。その後、インド洋、アリューシャン列島、ソロモンなど多様な海域で活動し、1943年にキスカ島へ向かう艦隊の一部として任務を遂行中に撃沈された。

一方、伊号第八潜水艦は北米西岸やソロモンでの戦闘を経て、1943年にドイツに派遣された。帰国後はインド洋での通商破壊戦に従事し、1945年には南西諸島方面へ出撃。しかし、沖縄近海で駆逐艦に襲撃され、戦没した。

潜水隊との関係

伊七型潜水艦は、いくつかの潜水隊には編入されず、潜水戦隊に所属していた。伊号第七潜水艦は第一艦隊第1潜水戦隊に編入され、その後第4潜水戦隊及び第六艦隊第2潜水戦隊の旗艦として開戦を迎えた後も、様々な戦隊に編入された。伊号第八潜水艦は竣工直後に第二艦隊第2潜水戦隊に所属し、その後横須賀鎮守府部隊などを経て第六艦隊第3潜水戦隊に編入され、やはりここでも旗艦として開戦を迎えたが、最終的には第8潜水戦隊に所属し、1944年11月に第六艦隊に編入された後に戦没した。

同型艦

伊七型潜水艦には、第一次世界大戦を経て日本海軍の潜水艦戦力を支えた同型艦である伊号第七潜水艦と伊号第八潜水艦が存在する。この二隻は、共にその戦歴において特異な存在感を放つものであり、軍艦としての重要な役割を果たしました。信念を持った艦員たちは、艦の任務を全うするために献身し、戦争の歴史に名を刻んだのです。

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