伊万里鉄道

伊万里鉄道の歴史

伊万里鉄道（いまりてつどう）は、明治時代中期に創立された鉄道会社であり、主に有田地区の陶磁器の輸送に寄与しました。特に有田焼の生産地から伊万里港までの輸送は、この鉄道設立の主要な目的の一つでした。また、この鉄道は九州鉄道との連絡線を提供し、伊万里地域で採掘される石炭の輸送にも対応しました。

設立と初期の経営

伊万里鉄道は1895年9月17日に設立され、1896年に仮免状を取得し、その年の5月には正式な免許も発行されました。この時、鉄道は伊万里と九州鉄道の有田停車場を結ぶことを目的としていました。1898年8月7日には、待望の有田から伊万里間が開業しましたが、開業以前から経営の困難さが表面化していました。物価の高騰により資金が不足し、会社は増資を繰り返さなければならず、最終的には借入金に依存するという状況に陥りました。この経営上の問題が後に将来の大きな障害となったのです。

九州鉄道への合併

伊万里鉄道の経営が不安定になる中、1898年12月28日、ついに九州鉄道に合併されてしまいます。合併後、伊万里鉄道が所有していた車両は九州鉄道に引き継がれました。引き継がれた車両の内訳は、機関車2両、客車8両、さらに20両の貨車でした。

駅一覧と中間駅

この鉄道線における主要な駅は、有田駅、蔵宿駅、夫婦石駅、そして伊万里駅です。それ以外の中間駅は、国鉄や松浦鉄道によって後に開業されたもので、当初からの駅ではありません。これにより、地域の交通網がさらに充実することとなりました。

車両について

合併前に伊万里鉄道が運用していた車両には、1898年に米国のクック社により製造されたタンク機関車が含まれています。これらは機関車2両、2軸客車8両、そして多くの貨車で構成され、鉄道の運営を支えました。特に機関車は、九州鉄道合併後に140形（140、141）として知られるようになり、その後国有化される前に売却されました。

まとめ

伊万里鉄道の歴史は、短期間に多くの成果と課題を抱えるものでした。この鉄道があったことで、伊万里や有田地区の産業はある程度の発展を遂げ、その後の鉄道網の発展に寄与しました。現在では、松浦鉄道西九州線としてその名を残していますが、初期の困難な状況や、合併という歴史的な経緯を忘れてはなりません。このような鉄道の役割を学ぶことは、日本の交通史や産業発展についての理解を深める上で重要です。

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