伊予鉄道郡中線

郡中線の概要

郡中線（ぐんちゅうせん）は、愛媛県松山市の中心である松山市駅から伊予市の郡中港駅まで、全長11.3kmの線路で接続する伊予鉄道の鉄道路線です。この路線は、松山市の南方向へと延びており、周辺の松前町や伊予市への交通を担っています。近年では、沿線の地域発展とともに利用者数が増加している状況が見受けられます。

路線の基本情報

• - 営業距離: 11.3km
• - 軌間: 1067mm
• - 駅数: 12駅（起終点駅を含む）
• - 複線区間: なし（全線単線）
• - 電化: 全線（直流750V）
• - 閉塞方式: 自動閉塞式
• - 最高速度: 60km/h
• - 車両基地: 古町車両工場（最寄駅・高浜線古町駅）
• - 最大連結車両数: 3両

路線の沿革と運行

郡中線は松山市駅からスタートし、国道56号を超えて土橋駅へと至ります。土橋駅の近くには昔、中央卸売市場がありましたが、現在はその活気は失われています。そこから進むと、住宅街を抜けて土居田駅、余戸駅と進み、余戸はかつての余土村の中心地でした。余戸駅むかいには電車の連絡バスが走っており、地域住民にとっての重要な交通手段となっています。

次に、鎌田駅を通過すると重信川を越え田園地帯に進入し、岡田駅・古泉駅と続きます。特に古泉駅には大型商業施設（エミフルMASAKI）が2008年に開業し、さらに利用者が増えました。次に松前駅に到着し、松前町の中心駅となるこの駅は、かつて漁業が栄えていた地域でもあります。駅周辺には「義農通り」があり、地元の義農精神を今に伝えています。

その後、地蔵町駅を越え新川駅へ。この近くには新川海水浴場がありましたが、郡中港駅近くに設置された五色姫海浜公園の影響で、シーズン時でも静けさが漂っています。新川駅を出ると、商店街や大型商業施設のある伊予市中心部へと進み、終点の郡中港駅に至ります。なお、郡中港には定期旅客航路はなく、伊予市駅が近接し、乗り換えも簡単です。

運行の詳細

郡中線の運行形態は、日中平日に普通列車が15分間隔、土日祝は20分間隔で運行されています。すべての列車は線内折り返しであり、高浜線や横河原線との直通運転は行われていません。松山市駅から郡中港駅までの所要時間は約24〜26分です。朝のラッシュ時には松山市と松前間に2往復の区間列車が設定され、運行頻度が増加します。

近年のダイヤ変更により、全列車が3両編成に固定化され、需要に応じた運行を行っています。特に特別なイベントや異常気象時などには、増結車両や臨時の運行形態が見られ、その際には利用者のアクセスに配慮されています。

歴史的背景

郡中線はもともと南予鉄道によって1896年に開業され、1900年に伊予鉄道として合併されました。以降、何度かの延伸や改軌が行われ、特に1940年代以降の電化は経営の安定と利便性向上に寄与しました。1950年に電化工事が完了し、新たに導入された電車は地域住民に広く親しまれました。 郡中線は今や、松山から伊予市にかけての重要な交通手段として定着しています。

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