伊予鉄道120系電車

伊予鉄道120系電車の詳細

伊予鉄道120系電車は、1940年代と50年代に製造された通勤電車のシリーズであり、特にその歴史的背景が興味深いです。この車両は、もともと京浜急行電鉄からの譲渡によるもので、後に伊予鉄道で使用されるようになりました。

概要

120系電車は基本的に制御電動車となるモハ120形（121から125まで）と、制御車であるクハ420形（421）の計6両で編成されています。これらの車両は、製造時期や外観、機能において異なる特徴を持っており、特にモハ121から123・クハ421と、モハ124・125の間には明確な違いがあります。

モハ121 - 123とクハ421

このグループは、1947年に三井造船玉野製作所で製造された京浜急行のデハ400形の4両を元としており、戦後の混乱期には状態が悪化していました。そのため、1965年から1966年にかけて大規模な車体更新が行われ、化粧直しが施されました。この際、旧車体は西武建設に売却され、所沢車両工場で改装されてから伊予鉄道に譲渡されました。

改装された際には、外板の全面改修や窓枠のアルミサッシ化、また新たな電機品が取り付けられました。特に主電動機は鉄道省の標準形式に準拠したもので、信頼性の高い運行が期待されました。その後もいくつかの改造が行われ、運用が続けられました。

モハ124と125

これらの車両は1949年に川崎車輌で製造された小田急電鉄の1900形を元にしています。1978年には、横河原線のような新しい運行形態に合わせて譲渡を受けることになりました。その際、自社の工場で複数の改造を実施し、運転台の移設や電機品の交換、新しい制御装置の取り付けを行いました。

運用と編成

モハ121から123、そしてクハ421は通常2両から4両編成を組むことが多く、一部は横河原線において110系車両の増結に使用されました。しかし、1989年に700系が新たに導入されることに伴い、120系電車は陳腐化し、同年9月6日付で全車廃車されることになります。

編成表

以下は120系電車の編成表です（左が高浜・郡中港方、右が横河原方）：

• - 121-421-122
• - 125-413-115
• - 113-412-124

なお、モハ123は入線当初は異なる編成だったものの、運用形態の変更により、モハ121編成の増結用に使用されるようになりました。

番号対照表

以下に、各車両の製造元と改修履歴を示します：

• - 121 ← 西武所沢車両工場（1968年更新） ← 京浜急行デハ400形（三井造船玉野製作所 1947年）
• - 122 ← 西武所沢車両工場（1968年更新） ← 京浜急行デハ400形（三井造船玉野製作所 1947年）
• - 123 ← 西武所沢車両工場（1968年更新） ← 京浜急行デハ400形（三井造船玉野製作所 1947年）
• - 124 ← 小田急デハ1902（川崎車両 1949年）
• - 125 ← 小田急デハ1901（川崎車両 1949年）
• - 421 ← 西武所沢車両工場（1968年更新） ← 京浜急行デハ400形（三井造船玉野製作所 1947年）

まとめ

伊予鉄道120系電車は、その多様な出自と長い運用期間を通じて、地域の通勤輸送に貢献してきました。廃車された今も、その歴史は鉄道ファンや交通史に興味を持つ人々にとって、魅力的な話題となっています。

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