伊予鉄道700系電車

伊予鉄道700系電車の詳細

伊予鉄道700系電車は、伊予鉄道が運行する鉄道線用の電車です。この電車は1987年から1994年にかけて、京王帝都電鉄5000系電車を京王重機整備により改造し、導入したもので、主に旧型電車の110系や120系の代替として投入されました。

編成構成

700系電車は、松山市方面からの編成があり、3両編成または2両編成で構成されます。具体的には、クハ760形（Tc）、モハ710形（Mc）、モハ720形（Mc）による3両編成と、クハ760形とモハ710形からなる2両編成があります。2024年度末現在、合計13両が在籍しており、平日朝には2両編成を連結して4両編成で運行することもあります。700系電車は以前、伊予鉄道の主要な電車でしたが、3000系や7000系の投入によりその数は減少しています。

特に、クハ760形とモハ710形に加えて、モハ720形が先頭車となる編成は、現代の鉄道では珍しい光景であり、鉄道ファンの間で「変態連結」として知られています。かつてはこの編成に含まれるモハ720形を朝ラッシュ後に切り離し、古町車庫へ単行で回送していましたが、最近では日中も3両編成での運行が中心となっています。

車両の特徴

700系の車体は、基本的に京王5000系のデザインが維持されていますが、正面の方向幕や側面の種別表示幕は撤去され、行先表示のみに変更されています。また、車両番号の位置も京王時代とは異なり、伊予鉄道では正面の左上に設置されています。モハ720形は、連結面が広幅貫通路に合わせた改造が施されています。

台車については、京王帝都電鉄の軌間に対して伊予鉄道の軌間が異なるため、一部の電動車については廃車部品から流用した台車が使用されています。装備されている台車には、住友金属工業製の3種類があり、それぞれの電車に適したものが選ばれています。

主電動機

700系電車には、東洋電機製の主電動機が搭載され、これによりカルダン駆動方式に変更されています。この電車は、元々使用されていた京王デハ2700形からの部品流用が行われ、力強い走行を実現しています。併結運転も可能ですが、実際に運用されたことはありません。

運用状況

郊外線全線での運用が行われており、特に平日朝の松山市からの列車が注目されます。1994年からは新しい塗装への変更が始まり、2015年度からは再度の塗装変更が実施されました。最新の塗装は2019年3月に全編成に適用されました。900系新型車両の導入に伴い、700系の一部車両は廃車されましたが、その後も2009年から2011年度にかけての新車両導入に伴い、700系電車と新型車両の置き換えも進められています。

現在の状況

2025年にはさよならイベントも予定されており、新型車両7000系の導入によって700系の全車両が入れ替えられる計画です。700系は、伊予鉄道の歴史の中でも重要な役割を果たしており、その独特な編成やデザインが多くの鉄道ファンに愛されています。

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