伊勢大橋

伊勢大橋について

伊勢大橋（いせおおはし）は、三重県桑名市内に位置し、長良川と揖斐川の合流地点を跨ぐ重要な国道1号の橋です。この橋は1934年（昭和9年）に開通し、当時の技術の粋を集めた下路ランガートラス橋形式を採用しています。全長は1,105.8メートル、幅員は7.5メートルと、東洋一の技術を誇ったその姿は、現在でも見る人々を魅了しています。

橋の構造と歴史

伊勢大橋は長良川と揖斐川の交差点に架かり、千本松原の南端を越えています。付近には三重県道106号桑名海津線が橋に直接接続し、また、橋の中ほどに「中堤入口交差点」が設けられています。この交差点では、特定の時間帯に右折が禁止されるため、通行する際には注意が必要です。

開通前、地域では三重県営の渡船が利用されていましたが、この手段では重い物を運ぶことができず、さらには天候にも影響を受けていました。そのため国庫からの補助を得て、伊勢大橋の建設が決定されました。工事は1930年（昭和5年）に始まり、下部工事は間組が担当し、その後、大阪鉄工所が上部構造を作り上げました。そして1934年には見事に完成し、その年の花火大会が盛大に行われました。この花火大会は現在でも「桑名水郷花火大会」として続けられています。

戦時中の影響と老朽化

太平洋戦争中、伊勢大橋は重要な交通路とされ、アメリカ軍の攻撃を受けることになりました。そのため、橋面には機銃掃射の弾痕が残されており、戦争の名残を今に伝えています。爆撃も受けましたが、幸運にも主要な影響を避け、不幸中の幸いといえるでしょう。

近年では老朽化が進んでおり、桑名市では新しい橋の架け替え事業が計画されています。このプロジェクトは、まず2車線の新しい橋を建設し、その後、旧橋を解体し、さらにもう2車線を追加するという三段階の計画となっています。新橋の総延長は1,012メートルに及び、事業の予算は約490億円で、完成は2020年代中盤を目指しています。

保存と未来について

2023年度からは伊勢大橋の保存方法についても検討が行われ、橋の歴史的価値や特徴的な構造を含む部分の保存が提案されています。特に、機銃掃射の痕がある部分を移設し、説明碑を設置するなど、地域の歴史を次世代に伝える取り組みが進められています。

観光名所と周辺

伊勢大橋周辺には観光名所も点在しています。特に有名なのは「長良川河口堰」や「なばなの里」といったスポットで、多くの観光客が訪れています。また、伊勢大橋は地域内の交通の要所として、長良川や揖斐川の今を形作る重要なインフラとなっています。

この橋を通じて、地元の文化や歴史、そして未来に向けた取り組みが繋がっていくのが、私たちにとっても心躍るポイントです。

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