伊勢志摩サミット記念館

伊勢志摩サミット記念館「サミエール」

伊勢志摩サミット記念館は、2016年5月26日、27日に開催された第42回先進国首脳会議（伊勢志摩サミット）を記念して、その1年後の2017年5月26日に開館しました。三重県志摩市阿児町神明の賢島駅2階に位置し、愛称の「サミエール」は、「サミット」「三重」「見える」を組み合わせたものです。この記念館は、サミットの成果を後世に伝え、子供たちが世界に目を向けるきっかけになることを目的としています。

概要

記念館は、展示コーナーのほか、カフェや土産物コーナーを併設しており、サミットに関する様々な情報を発信しています。整備費は伊勢志摩サミット三重県民会議が、運営費は志摩市が負担しています。展示内容は、パネル展示だけでなく、動画やクイズなどのインタラクティブな要素を取り入れ、来館者が飽きないように工夫されています。また、サミットで使用された尾鷲ヒノキの円卓や首脳陣が座った椅子、記念植樹に使われたスコップなど、貴重な品々が展示されています。

記念館の面積は297平方メートルと、当初の希望より狭くなりましたが、場所の制約を考慮して、展示内容は「人」に焦点を当てたものに絞られました。入り口には、国際メディアセンターで使用された看板やヒノキ柱が設置され、サミット参加首脳の記念写真が飾られています。中央には、タッチパネル式の端末でクイズに挑戦したり、サミット関連資料を閲覧することができます。

展示内容

首脳会議で使用された円卓と椅子: メイン展示として、尾鷲ヒノキ製の円卓と、首脳陣が実際に座った椅子が展示されています。来館者は日本の席に自由に座ることができます。
記念品: バラク・オバマ大統領が記念植樹で使用したスコップや、首脳陣が記帳した芳名帳、サミット警備で活躍したドローンなどが展示されています。また、各国首脳に贈られた特産品も見ることができます。
食事関連の展示: サミットで提供された食事に関するパネル展示は、来館者の関心を集めています。
企画展示: 月替わりで三重県内の市町村を紹介する展示が行われています。

カフェ サミエール

記念館に併設されている「カフェ サミエール」では、サミット参加国にちなんだ料理や、首脳陣に振る舞われた日本酒を提供しています。また、観光特急「しまかぜ」で提供されている「海の幸ピラフ」も人気メニューです。カフェの広さは122平方メートルで、30席の客席があります。

土産物コーナーでは、クリアファイル、ポチ袋、はがきなどが販売されています。クリアファイルは、円卓を囲むG7首脳陣の写真と、開催地となった賢島の空撮写真の2種類があります。

愛称「サミエール」

記念館の愛称「サミエール」は、全国公募で選ばれました。「サミット」「三重」「見える」の3つの言葉を組み合わせたもので、親しみやすく覚えやすい名前として選ばれました。

歴史

記念館の設置構想は、サミット開催前からありました。三重県知事が、サミットの記憶を残す重要性を強調し、記念館設置を検討することを表明しました。その後、基本方針が決定し、子供たちの学習の場となるような体験型の施設を目指すことになりました。設置場所は賢島駅2階に決定し、2017年5月に開館しました。

開館当初は、洞爺湖サミット記念館の例から、集客を不安視する声もありましたが、賢島駅構内という立地と入館無料ということもあり、開館後すぐに多くの来館者を集めました。

利用案内

開館時間: 9:00～17:00
休館日: 年中無休
入館料: 無料
アクセス:
鉄道: 近鉄志摩線賢島駅
路線バス: 三重交通賢島駅前バス停留所
* 自家用車: 賢島駅南口の無料駐車場を利用

今後の展望

記念館の設置期間は、日本で次のサミットが開催される年までとされています。その後は、利用実績を踏まえて、三重県、志摩市、近畿日本鉄道の三者で検討することになっています。公式サイトでは、2024年3月28日までの企画展示の予定が公開されています。

伊勢志摩サミット記念館は、サミットの歴史を学び、その意義を再認識する場所として、今後も多くの人々に利用されることが期待されます。

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