伊号第十八潜水艦

伊号第十八潜水艦の概要

伊号第十八潜水艦（伊18）は、大日本帝国海軍が建造した伊十六型[[潜水艦]]の二番艦です。1937年に計画され、佐世保海軍工廠で起工、1941年に竣工しました。竣工後は横須賀鎮守府に所属し、太平洋戦争開戦時には第六艦隊第1潜水戦隊第2潜水隊に配備されました。

真珠湾攻撃と初期の作戦

太平洋戦争開戦時、伊18は真珠湾攻撃に参加するため、特殊潜航艇「甲標的」を搭載して出撃しました。甲標的は真珠湾口付近でアメリカ軍に発見され、攻撃を受けて自沈しましたが、搭乗員は脱出後、行方不明となりました。その後、伊18はジョンス[[トン島]]への砲撃を試みましたが、目標を視認できず、クェゼリンへ移動しました。

1942年1月には、ハワイ周辺海域に進出し、アメリカ海軍の空母レキシントンを基幹とする第11任務部隊を発見しました。また、ミッドウェー島を偵察し、砲撃準備中に反撃を受け退避しました。その後、第1潜水隊に編入され、横須賀に帰還しました。

インド洋での通商破壊作戦

1942年4月、伊18は甲先遣隊の一員として呉を出港し、ドーリットル空襲への迎撃作戦に参加しましたが、空振りに終わりました。その後、ペナンに移動し甲標的を搭載、インド洋での通商破壊作戦に従事しました。この作戦では、ノルウェー貨物船ウィルフォート、イギリス客船エリシア、オランダ貨物船デ・ヴェールト、イギリス貨客船ムンドラなどを撃沈しました。しかし、波浪による浸水でディーゼル機関が故障し、甲標的の発進が遅れるなど、作戦行動に支障をきたす場面もありました。また、イギリス貨客船テミスへの雷撃は失敗に終わりました。

輸送作戦と最期

1942年8月、伊18はペナンを経由して横須賀に戻り、整備を受けました。その後、呉に移動し、トラックを経由してショートランドへ移動しました。1943年1月、伊18はガダルカナル島への輸送任務中にアメリカ潜水艦グレイバックに発見され攻撃を受けましたが、幸いにも被害はありませんでした。その後、輸送物資の揚陸を完了し、偵察のためガダルカナル島南方へ進出しました。しかし、1943年2月11日、サンクリストバル島南方沖で、アメリカ海軍の駆逐艦フレッチャーによる爆雷攻撃を受け、沈没しました。この攻撃により、第1潜水隊司令の太田信之輔大佐、艦長の村岡富一中佐以下乗員102名全員が戦死しました。

戦果とその後

伊18は、その短い活動期間中に4隻、合計18,061トンの敵艦を撃沈しました。しかし、太平洋戦争における他の多くの潜水艦と同様に、伊18もその姿を海中に没し、その生涯を終えました。1943年4月1日、伊18は除籍されました。

歴代艦長

艤装員長：畑中純彦 中佐（1940年7月1日 - 1941年1月31日）
艦長：畑中純彦 中佐（1941年1月31日 - 1941年8月25日）
艦長：大谷清教 中佐（1941年8月25日 - ）
艦長：村岡富一 中佐（1942年12月1日 - 1943年2月11日戦死）

伊18は、太平洋戦争の激戦期において、様々な任務を遂行しました。その活動は、当時の日本の潜水艦隊の戦いぶりを示すものであり、その最期は、多くの犠牲を払った戦争の悲劇を物語るものと言えるでしょう。

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