伊号第百八十三潜水艦

伊号第百八十三潜水艦の歴史

伊号第百八十三潜水艦は、日本海軍の潜水艦の一つであり、伊百七十六型に属する艦艇です。1941年12月26日に川崎造船所で起工され、1943年1月21日に進水、同年10月3日に正式に竣工しました。この艦は、佐世保鎮守府に所属し、第1艦隊第11潜水戦隊に編入されました。

艦の運命は、訓練中の事故によって暗転します。1943年10月3日、広島湾で単独で訓練を行っていた際、主機械の頭弁部分から浸水が発生し、艦は着底することになりました。この事故により、16名の艦員が命を失うという悲劇が起きました。

事故後、艦は引き揚げられ、1944年1月まで修理作業が行われました。しかし、その後の活動も順調ではありませんでした。1944年3月27日に呉を出港したものの、故障が発生し、次の月の4月6日に再び呉に帰投することになりました。

その後、4月28日に第6艦隊第22潜水隊に編入され、同日サイパンを経由してトラックへ向かう航行を開始します。しかし、あまりにも変則的な運航が続く中、同日南四国近海でアメリカの潜水艦ポーギーの攻撃を受け、艦は沈没しました。この攻撃により、艦長の佐伯卓夫少佐をはじめとする全92名の艦員が戦没するという痛ましい結果となります。

その後、1944年5月28日には本土南方で亡失と認定され、伊号第百八十三潜水艦の短い生涯は幕を閉じました。

艦の歴代艦長には、艤装員長として佐伯卓夫少佐が1943年8月30日より、その後、艦長として彼が1943年10月3日から1944年4月28日まで在任していたことが記録されています。艦長が戦死したことは、この艦の運命を象徴的に示す出来事でした。

この潜水艦の歴史は、日本海軍の兵器としての役割と、その背後にあった多くの艦員の運命を物語っています。様々な要因により短命であった伊号第百八十三潜水艦の実績は、今もなお海軍の歴史の一部として語り継がれています。

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