伊号第百八十潜水艦

伊号第百八十潜水艦

伊号第百八十潜水艦（いごうだいひゃくはちじゅうせんすいかん）は、日本海軍が運用していた潜水艦で、伊百七十六型潜水艦（海大VII型）の5隻目の艦艇です。1941年に横須賀海軍工廠で起工し、その後の数年を通じて太平洋戦争において重要な役割を果たしました。

艦歴

1939年から1945年にかけてのこの艦の歴史は、艦の起工から始まります。1941年4月17日、横須賀で艦の建造が開始され、1942年2月7日に進水を果たしました。さらに、1943年1月15日に竣工し、佐世保鎮守府に配属され、呉潜水戦隊に編入されました。この艦は、その戦歴の中で数々の重要な作戦に参加しました。

1943年2月15日には第22潜水隊に加わり、その後は第3潜水戦隊に編入されました。艦の初陣は1943年3月30日、呉を出港し、トラックに向かいました。その後、南太平洋での活動を開始し、さまざまな敵艦の撃沈に成功しました。

特筆すべきは、同年4月29日にスモーキー岬東南東55浬地点にて、2,239トンの豪貨客船ウオロンバーを沈めたことです。そして5月5日には、コフスハーバー近くでノルウェーの貨物船フィンガルを沈没させ、さらに5月12日にはPG50船団を攻撃し、豪客船のオーミストンと豪貨物船のカラデールを撃破しました。このように、伊号第百八十潜水艦は連続して戦果を上げ、艦の名声を高めていきました。

しかし、戦況は厳しく、1944年1月にはトラックから出港し、アリューシャン方面での活動に移りました。そこでの戦いの中で、1944年4月19日には、アラスカ沖にて米リバティ船ジョン・シュトラウブを撃沈しました。しかし、同月27日には米護衛駆逐艦「ギルモア」の攻撃を受けて航行不能となり、艦長藤田秀範を含む艦員全員が戦死するという悲劇を迎えました。これにより伊号第百八十潜水艦は1944年5月20日に亡失と認定されました。

戦果

この艦は、合計で3隻の敵艦を撃沈し、その総トン数は11,552トンに達しました。また、撃破した艦も2隻あり、そのトン数は7,713トンです。これらの戦果は、当時の日本海軍において重要な意義を持っていました。

歴代艦長

この艦の艤装員長として日下敏夫少佐が1942年12月1日から任命され、同じく日下少佐が1943年1月15日から艦長を務めました。その後、藤田秀範大尉が1943年9月から艦長に就任し、戦没するまでその職にありました。

参考文献

艦の詳細な歴史と戦歴に関しては、いくつかの文献が参考になります。『ハンディ判 日本海軍艦艇写真集19巻』や『日本海軍の潜水艦 - その系譜と戦歴全記録』など、多くの資料がその戦歴を詳細に記録しています。これらの文献は、伊号第百八十潜水艦の歴史を理解する手助けとなるでしょう。

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