伊号第百六十四潜水艦

伊号第百六十四潜水艦について

伊号第百六十四潜水艦（いごうだいひゃくろくじゅうよんせんすいかん）は、日本海軍に所属する潜水艦で、伊号潜水艦の一型式である伊百六十二型潜水艦（海大IV型）の3番艦として設計されました。当初の艦名は伊号第六十四潜水艦でしたが、戦後に改名されました。ただし、伊164としての活動は戦没後の改名となったため、実際には行われていませんでした。

艦歴

この潜水艦は、1927年3月28日に呉海軍工廠で起工し、1929年10月5日に進水しました。そして、1930年8月30日に竣工し、佐世保鎮守府に所属し第29潜水隊に配属されました。しかし、艦歴において1934年3月20日に予備艦となり、1938年6月には艦型名が伊六十一型に改正されました。その後、1941年にはマレー作戦に参加し、様々な作戦に従事しました。

1942年1月、伊164は南方での攻撃を開始し、数隻の敵艦に対して雷撃や砲撃を行い、多くの戦果を挙げました。1月22日にはインド洋で蘭貨物船ヴァン・オーバーストレーターに対して攻撃を行い、撃沈に成功しました。また、1月28日には英船アイダー、1月29日には米客船フローレンス・ルッケンバッハを撃沈するなど、戦果を上げました。

さらに、3月にはノルウェー艦マベラを撃沈し、その戦果は累積していきましたが、4月には佐世保に帰港。その後、5月にはミッドウェー海戦に参加するために出航しました。しかし、同月17日に米潜水艦トライトンに発見され、攻撃を受けてしまいました。艦体が大きく損傷し、その後沈没する運命をたどりました。

この艦の悲劇は、艦長の新名嘉雄少佐を含む81名が戦死したことに象徴されています。戦後、1942年5月20日に伊号第百六十四潜水艦に改名されるも、海上での命を失った艦として歴史に刻まれます。最終的には、同年5月25日に亡失が認定され、7月14日に除籍されました。戦果としては、5隻を撃沈し、17,696トンに及ぶ敵艦を評価される一方で、撃破した艦も含めて、その数は合計6隻に上ります。

歴代艦長

伊号第百六十四潜水艦の歴代艦長は、艤装員長駒沢克己少佐を始め、数名がその艦の指揮を取ってきました。艦長の変更があり、多くの艦長を経て新名嘉雄少佐に至りましたが、彼は戦没時に在任していたため、その名は艦とともに戦歴の中で長く語り継がれることでしょう。

結論

伊号第百六十四潜水艦は、その短命ながらも印象的な戦歴を持つ艦であり、悲劇的な運命を辿った艦艇として日本海軍の潜水艦史に残る存在です。その戦歴における数々の攻撃も、戦争の過酷さを物語っており、艦に携わったすべての人々の安全の重要性を教えてくれています。

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