伊和神社

伊和神社の概要

伊和神社は、兵庫県宍粟市一宮町須行名に存在する神社で、名神大社として知られる式内社です。播磨国一宮に指定され、海神社や粒坐天照神社と共に「播磨三大社」と呼ばれています。かつては国幣中社という社格を持ち、現在は神社本庁の別表神社として位置づけられています。

祭神

この神社の主祭神は大己貴神であり、播磨国風土記によれば伊和大神とも呼ばれ、別称として葦原志許乎命や葦原醜男が挙げられます。また、配神には少彦名神と下照姫神が祭られています。風土記によると、伊和大神は出雲からこの地に降臨したと伝えられています。「伊和」という名称は神酒から来ているともされ、大己貴神が国作りを終えて「於和」と呟いたとも伝承されています。

歴史

伊和神社は成務天皇の時代、もしくは欽明天皇の時代に創祀されたとされており、延喜式神名帳には「伊和坐大名持魂神社」という名前が記載されています。921年には正一位の神階に叙せられましたが、歴史の中で幾度も火災に見舞われ、再建の際には朝廷や国司、守護の赤松氏などの援助を受けています。一宮町の名前も、この神社に由来しています。近代の社格制度によれば、明治時代において県社、国幣小社を経て、国幣中社に昇格した後、今は神社本庁の別表神社として存在しています。

境内の特徴

神社の境内には鶴石があります。この鶴石には、伝説が伝わっており、欽明天皇25年に豪族・伊和恒郷が神託を受けたことが起源とされています。恒郷はその夜、西の野で木々が群生し、2羽の白鶴が石の上で眠っているのを見て、そこに社殿を造営したと伝えられています。神社の社殿は現在も北向きに建てられており、鶴石は本殿の裏に祀られています。

境内には様々な摂末社が存在し、五柱社には天照皇大神や須佐之男神、猿田彦神などが祭られています。また、御霊殿には戦死者や万国の戦死者が祀られています。

年間祭事

伊和神社では年間を通じて多くの祭事が行われています。新年祭や節分祭、祈年祭など、季節に応じた祭りが催され、特に秋季大祭や夏祭は地域の重要な行事です。風鎮祭では五穀豊穣を祈願し、油万燈祭とも称され、境内には小皿が並べられ火が灯されます。その後の秋季大祭では、村の人々による行列が組まれ、賑やかな神幸祭が行われます。

文化財とアクセス

伊和神社は兵庫県の指定文化財に登録される史跡や貴重な文書も所蔵しています。一つ山古墳は1971年に指定され、新田義貞の寄進状など約200通の古文書もあります。

地域へのアクセスは便利で、姫路駅から神姫バスを利用して「一の宮伊和神社」バス停で下車すると、神社へ徒歩で到着します。国道29号沿いに位置するため、車でのアクセスも容易です。

関連神社

伊和神社には多くの関連神社があり、それぞれ伊和大神にゆかりのある祭神が祀られています。英賀神社や射楯兵主神社、伊和都比売神社などがその例です。このように、伊和神社は神社同士の結びつきを持ち、地域の文化や信仰の要素が色濃く残っています。

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