伊地知重政 (伊地知重英の子)

伊地知重政は、戦国時代から安土桃山時代にかけての武将で、薩摩国島津氏に仕えました。大隅国の国人である伊地知氏の庶流に生まれ、重政は伊地知氏5代当主・重豊の四男・重基の玄孫にあたります。

永禄9年（1566年）の三ツ山城攻めにおいて、その武勇を発揮し軍功を挙げました。天正6年（1578年）の耳川の戦いでは、島津義弘の命を受け、酒瀬川武安、富山備中守と共に300余りの兵を率いて伏兵として参戦。10月10日の夜半、敵勢を討ち取るという大きな功績を上げました。この戦いでの活躍により、重政の武名は大いに高まりました。

その後、重政は日向国門川（現在の宮崎県門川町）の地頭に任じられ、軍議に参加する重要な人物54人のうちの一人として数えられるようになりました。日向の3城を任されたとされることもありますが、実際には吉利忠澄が地頭職を任じられていたとされています。天正9年（1581年）の肥後国水俣城攻めでは、この門川衆を率いて出陣し、戦力として貢献しました。

天正14年（1586年）の丹生島城攻めでは、先陣を切って敵城に攻め入るという活躍を見せました。しかし、その翌年の天正15年（1587年）、豊後国野津（現在の 大分県臼杵市野津町）での戦いにおいて、惜しくも討ち死にを遂げました。伊地知重政は、その生涯を通して島津氏のために忠実に戦い抜き、数々の戦で武功を挙げた武将として、後世に名を残しました。

参考文献：『本藩人物誌』 鹿児島県史料集（13）（鹿児島県史料刊行委員会）

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