伊奈波神社

伊奈波神社について

伊奈波神社（いなばじんじゃ）は、岐阜県岐阜市の伊奈波通りに位置する歴史的な神社です。元々、美濃国三宮とされ、式内社論社であり、国幣小社としての地位を持っていました。2015年4月には「信長公のおもてなし」が感じられる戦国城下町として、日本遺産に認定されています。

祭神

この神社の主祭神は、垂仁天皇の第一皇子であり、この地の開拓神とされる五十瓊敷入彦命（いにしきいりひこのみこと）です。その妃である淳熨斗媛命（ぬのしひめのみこと）、母の日葉酢媛命（ひばすひめのみこと）、外祖父の彦多都彦命（ひこたつひこのみこと、稲葉国造の祖）、臣下の物部十千根命（もののべのとちねのみこと）と共に祀られ、これらの神々は伊奈波大神と呼ばれています。

社伝によると、五十瓊敷入彦命は朝廷により奥州を平定しましたが、その成功を妬む者によって誹謗され、この地で討たれたとされています。

歴史

伊奈波神社の由来は、景行天皇14年に武内宿禰が現在の岐阜公園内の丸山に五十瓊敷入彦命を祀ったことに始まるとされています。さらに、壬申の乱の際には天武天皇がこの神社に戦勝を祈願したと伝えられています。

1539年、斎藤道三が稲葉山に城を築く際に、神社を現在の位置に遷座しました。この時、物部十千根命を祀る物部神社を合祀し、稲葉山城の鎮守としたことから、以来岐阜の総産土神として信仰が続いています。明治6年には県社に列格し、その後昭和14年には国幣小社に昇格しました。また、戦後の昭和27年には岐阜県神社庁より指定神社に認定され、信仰が続いています。

施設

神社は、明治24年の濃尾地震による焼失の後、翌年に本殿が復興され、昭和4年から15年にかけて現在の社殿が築かれました。境内にはいくつかの重要な施設が存在します。

• - 鳥居（一の鳥居、二の鳥居）
• - 神橋
• - 楼門、神門
• - 拝殿、幣殿、本殿
• - 社務所、参集殿、西館
• - 水月亭（茶室）

また、境内社には黒龍神社、須佐之男神社、岐阜東照宮、和歌三神社、松尾神社があり、賑わいを見せています。

祭礼

伊奈波神社では、いくつかの重要な祭礼が行われています。

• - 節分祭：2月3日に行われ、節分特別祈祷や手筒煙火奉納が行われます。
• - 岐阜まつり：4月5日に金神社や橿森神社と共同で行われます。

文化財と御朱印

伊奈波神社には、多くの文化財が収蔵されています。重要文化財には「太刀 銘景依造」があり、岐阜県指定の文化財も豊富です。また、特別な「金の御朱印」企画が行われており、毎月最終金曜日に限定の御朱印が発行されています。

アクセス

伊奈波神社へのアクセスは公共交通機関が便利です。JR岐阜駅または名鉄岐阜駅から岐阜バスを利用し、約10分で『伊奈波通り』下車後、徒歩で約7分の距離です。また、JR岐阜駅から自転車でのアクセスも可能で、レンタルサイクルを利用することができます。

神社は地域の信仰の中心として、多くの人々に親しまれています。

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