伊東幸子 (レフェリー)

伊東 幸子

（いとう さちこ、1972年9月22日生）

千葉県山武郡に生まれた伊東幸子は、プロレスリングの世界で公正な裁きを下すレフェリーとして、そして舞台女優として、二つの異なる分野で活躍している人物です。

プロレスキャリアの始まり

彼女のプロレス界での歩みは、1994年に女子プロレス団体GAEA JAPANの門を叩いたことから始まりました。この団体は、当時の女子プロレスシーンにおいて独自の存在感を放っており、多くの才能を輩出しています。伊東氏はここでプロフェッショナルとしての基礎を築き上げました。

レフェリーとしてのデビュー

リング上で審判としての第一歩を踏み出したのは、GAEA JAPAN入団から一年後の1995年7月29日。後楽園ホールで開催されたGAEAのビッグマッチにおける、永島千佳世選手対沼尾マキエ選手のシングルマッチでした。観客の熱狂が渦巻く中で、試合の進行を見守り、ルールを厳格に適用するレフェリーという重要な役割を初めて担った瞬間です。このデビュー戦を皮切りに、彼女はGAEA JAPANのリングで数々の激闘を裁くことになります。

フリーランスとしての活動期

2005年、惜しまれつつもGAEA JAPANが解散。伊東氏はこれに伴い、フリーランスのレフェリーとして活動の場を移すことを決断します。一つの団体に所属するのではなく、様々なプロモーションから招聘される形で、彼女の審判としての技量と信頼性が試される時期が始まりました。この期間、彼女は女子プロレス界を牽引する様々な団体のリングに上がりました。東北を拠点とするセンダイガールズプロレスリング、ベテラン選手たちの激しい戦いが特徴のOZアカデミー、独自のエンターテイメント性を持つプロレスリングWAVEなど、それぞれの団体が持つ特色ある試合スタイルの中で、常に公平かつ正確なジャッジを心がけました。フリーランスとして多団体のリングに立つことは、レフェリーとしての視野を広げ、多様な状況に対応する能力を高める貴重な経験となりました。

舞台への挑戦

プロレスの世界でキャリアを積む一方で、伊東氏は全く異なる表現の場にも足を踏み入れます。2006年5月31日、シアターサンモールで行われたFEVER DRAGON NEOプロデュースの舞台「CRASH」で、女優としてのデビューを果たしました。リング上の緊張感とはまた違う、舞台という空間での演技を通して、表現者としての新たな一面を開花させました。

現在の活動

プロレスレフェリーと女優、二つの道を歩む伊東氏ですが、2023年現在もプロレスのリングでの活動を中心としています。特に、フリーランス時代から関わりの深かったOZアカデミーには所属レフェリーとして籍を置き、団体の主要な大会でレフェリーを務めています。選手たちの熱い攻防を間近で見守り、試合をスムーズかつ安全に進行させるその手腕は、多くの選手やファンから信頼を集めています。身長160cm、体重53kg、血液型A型という身体データを持つ彼女は、レフェリーとしてリング内を俊敏に動き回り、時に選手と観客の間に入って状況をコントロールするなど、存在感を示しています。

長年にわたりプロレスレフェリーとして培ってきた経験と、女優として磨いた表現力は、彼女の活動に深みを与えています。伊東幸子氏は、女子プロレス界の重要な担い手として、そして枠に囚われない表現者として、今後のさらなる活躍が期待されています。

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