伊江朝雄

伊江朝雄（いえともお）

伊江朝雄は、1921年5月17日に沖縄県那覇市で生まれ、2007年5月14日に85歳で東京の病院で亡くなった日本の政治家です。彼は自由民主党に属し、参議院議員を3期務め、沖縄県出身者として初の国務大臣に就任したことでも知られています。

経歴

伊江氏は男爵家に生まれ、伊江御殿十三世の子孫であることから、早くから名家の一員としての生活をスタートさせました。彼は旧制学習院高等科を卒業後、1945年に東北帝国大学法学部を卒業し、運輸省に入省します。国鉄にはその後長期間にわたり在職し、旅客局長や九州総局長、さらには常務理事（営業担当）を歴任しました。

彼が政治の世界に足を踏み入れたのは1977年の参議院議員選挙で、全国区から自民党公認で立候補し、初当選を果たしました。この選挙は自らの地盤を築く上で重要な経験となり、彼の当選を目指した多くの国鉄管理職が関与する中、選挙違反で逮捕された事件が後に明るみに出ました。この出来事は、国鉄と政治の関係の深さを浮き彫りにしました。

政界での活動は多岐にわたり、沖縄開発政務次官や参議院大蔵委員長などの重要な役職を歴任しました。1989年には3期目の当選を果たし、1991年には宮澤内閣において北海道開発庁長官及び沖縄開発庁長官を兼務し、2つの重要な部署を任せられるという栄誉を得ました。1994年には参議院の公式訪問団団長としてブルガリアを訪問し、国際理解を深めるための活動にも貢献しました。

1995年の参議院選挙では落選し、これに伴い政界を引退することとなりましたが、在職中には弾劾裁判所の裁判長第一代理や参議院改革協議会を牽引する座長など、多くの役職を務めました。また、国会の居場所移転に関連した特別委員会でもその指導力を発揮しました。

受賞と功績

彼の政治家としての功績は多岐にわたり、1995年には勲一等瑞宝章を受章し、その後も琉球新報賞、沖縄タイムス賞、沖縄県功労者表彰など複数の賞を受け、地元沖縄における影響力の強さを示しています。

人物

文化財への多大な関心も持っており、重要文化財である伊江御殿の墓と、沖縄県の有形文化財に指定されている「伊江家文書」の所持者でした。また、国鉄在職時には「ディスカバー・ジャパン」キャンペーンを推進し、日本国内の観光ブームの立役者となりました。雑誌『鉄道ファン』の創刊にも関与し、鉄道の魅力を多くの人々に伝えました。

伊江朝雄は、その多様な活動と影響力によって、日本の政治界や国鉄の発展に貢献した偉大な政治家として、今なお多くの人々に記憶されています。彼の生涯は、沖縄県の歴史における重要な一ページであり、国の発展に寄与した業績を誇るものでした。

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