伊藤四郎
伊藤四郎
伊藤四郎（いとう しろう、1932年11月1日 - 2011年5月30日）は、三重県四日市市出身の元プロ野球選手で、1950年代に活躍した投手です。彼は、名古屋ドラゴンズ（現在の中日ドラゴンズ）に入団し、その後トンボユニオンズや近鉄パールス、南海ホークスなどでプレーしました。
経歴
四日市商業高校を卒業後、伊藤は1951年に名古屋ドラゴンズに加入しましたが、最初のシーズンではわずか2勝と目立った活躍はできませんでした。1955年には、監督・浜崎真二の要望で仲間の中西由行と共にトンボユニオンズに移籍。新しい環境での彼は、特にキャンプの列車内での出来事から、さまざまな経験を積みました。
シーズンが進む中、1956年に伊藤は大ブレイクを果たします。それまでの課題であった制球の問題を克服し、南海ホークスから加入したベテラン捕手・筒井敬三のリードにより、投球が改善されました。彼は「遠近投法」を駆使し、先発から中継ぎ、抑えとして多くの試合に出場し、前半戦で8勝を稼ぐ活躍を見せました。オールスターゲームにも出場し、7月4日の試合では2回1/3を1安打に抑えました。シーズンの最終成績は21勝（19敗）という素晴らしいものでした。
しかし、1957年のシーズン前に高橋ユニオンズが解散し、大映スターズと合併したことで近鉄パールスへと移籍します。このチームでは、十分な準備ができず、さらなる故障に悩まされ、厳しいシーズンを送りました。1958年には3勝（14敗）、1959年には勝ち星を挙げられず、オフに自由契約となります。
1960年には南海ホークスに加入しましたが、登板機会はなく、1961年に引退を決意します。その後、引退後の彼は南海の東海地区常駐スカウトとして活動し、後にチーフスカウトを務めました。1997年までその地位にあり、多くの名選手を発掘することに成功しました。
故郷の四日市に戻った伊藤は余生を送る中、2011年の5月30日に旅行先の京都府で大動脈瘤破裂により78歳で亡くなりました。
選手としての特徴
伊藤四郎は、独特な投球フォームとスピードのある直球を武器にしました。大きく振りかぶり、身体をねじるようにして投げるスタイルは、観客を魅了しましたが、体重移動が大きく、視線がぶれるため、しばしば制球力に問題を抱えました。投手コーチの若林忠志から何度も修正を求められましたが、自分の投球スタイルを貫きました。また、若いころに杉下茂から教わったフォークボールも彼の持ち球の一つでした。
人物
伊藤は親分的な性質を持ちつつ、無邪気な性格でも知られていました。トンボユニオンズの登戸合宿所では、若手選手たちと仲良く行動し、時には騎馬にして近くの飲み屋に繰り出したり、合宿所でプロレスごっこを楽しむこともありました。こうした彼の人柄は、周囲の選手たちにとって親しみやすいものであったと伝えられています。
詳細情報
年度別投手成績
記録
- - オールスターゲーム出場：1回（1956年）
背番号
- - 21（1951年 - 1952年）
- - 27（1953年 - 1954年）
- - 11（1955年 - 1956年）
- - 66（1957年）
- - 17（1958年 - 1959年）
- - 32（1960年 - 1961年）
参考文献
関連項目
- - 三重県出身の人物一覧
- - 中日ドラゴンズの選手一覧
- - 高橋ユニオンズの選手一覧
- - 大阪近鉄バファローズの選手一覧
- - 福岡ソフトバンクホークスの選手一覧
外部リンク
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