伊藤杯シーズンファイナル大倉山ナイタージャンプ大会

伊藤杯シーズンファイナル大倉山ナイタージャンプ大会

「伊藤杯シーズンファイナル大倉山ナイタージャンプ大会」は、札幌市大倉山ジャンプ競技場で開催されるスキージャンプの大会です。通称「伊藤杯ファイナル」または「ファイナル」として親しまれています。

大会の概要

この大会の名称は、日本スキー界の重鎮である伊藤義郎氏（伊藤組土建会長、国際スキー連盟副会長などを歴任）に由来します。

その名の通り、シーズンを締めくくる大会として、海外を転戦していた選手や引退を決めた選手も出場する、まさに「オールスター」的な大会です。大会の大きな特徴として、以下の点が挙げられます。

選手紹介時のメッセージ: 1本目の競技前、スタートの際に選手一人ひとりからシーズンを振り返るメッセージやファンに向けたメッセージが読み上げられます。
引退セレモニー: 競技後には、現役引退する選手のためのセレモニーが執り行われます。
ラストコール（サヨナラジャンプ）: 2006年からは、引退する選手が最後にジャンプを披露する「ラストコール」が実施されています。長年競技を支えてきた選手たちの勇姿を、ファンが目に焼き付ける感動的な瞬間です。

主催は札幌市、札幌スキー連盟、北海道スキー連盟で、全日本スキー連盟が公認しています。

大会の歴史とトピックス

この大会は、数々のドラマと記録を生み出してきました。

バッケンレコード: 第6回大会では、金子祐介選手（当時）が145.0mのバッケンレコード（当時）を記録しました。
複合選手の優勝: 同じく第6回大会では、当時ノルディック複合が専門だった高橋大斗選手が優勝。後に高橋選手はスキージャンプに転向しています。
原田雅彦選手の引退試合: 第7回大会は、原田雅彦選手の引退試合として開催され、テレビで生中継されました。
中止とラストコール: 第8回大会は中止となりましたが、その前日には札幌で大雪が降り、選手やファンからは「引退する選手を青野さんのラストコールで送ってあげたかった」という声が多く上がりました。青野導氏は、長年場内実況アナウンサーを務め、その温かいアナウンスで多くのファンに親しまれていました。
女子の部の設置: 第9回大会から女子の部が設置され、大会に新たな彩りを添えました。
数々の引退: 第9回、第10回、第11回、第13回、第14回、第15回、第16回、第17回、第18回、第19回、第20回、第22回、第23回、第24回、第25回大会でも多くの選手が現役を引退し、ラストコールでファンに別れを告げました。
震災による中止: 2011年の第12回大会は、東日本大震災の影響を考慮して中止となりました。
悪コンディション: 第11回大会は、融雪と湿った雪により悪コンディションの中、1本のみの実施となりました。
記録更新: 第17回大会では、伊藤有希選手が女子の従来のバッケンレコードを上回る145.0mを記録しました。
コロナ禍での中止: 2020年の第21回大会は、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため中止となりました。
伊東大貴選手の優勝: 第23回大会では、引退を発表しワールドカップから一時帰国した伊東大貴選手が優勝し、国内ファンに別れを告げました。
* 4年ぶりのサヨナラジャンプ: 第24回大会では、4年ぶりにサヨナラジャンプが実施されました。

シーズンの締めくくり

「伊藤杯ファイナル」は、単なる競技大会としてだけでなく、そのシーズンを象徴する様々なドラマが生まれる舞台となっています。多くのファンにとって、シーズンの締めくくりを飾る特別な大会と言えるでしょう。

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