伊藤武彦 (内務官僚)

伊藤武彦は、1891年（明治24年）11月20日に岐阜県で生まれ、1939年（昭和14年）10月27日に亡くなった日本の内務官僚です。彼は県知事としてもその手腕を発揮しました。

経歴

伊藤武彦は、岐阜県出身で、伊藤伊八郎の三男として誕生しました。第八高等学校を経て、1915年に東京帝国大学法科大学政治学科を卒業しました。大学在学中の1914年11月には、文官高等試験行政科試験に合格しており、その優秀さが伺えます。

卒業後、1915年に内務省に入省し、富山県属としてキャリアをスタートさせました。その後、富山県警視、千葉県市原郡長、朝鮮総督府秘書官、内務省参事官、内務大臣秘書官、内務書記官、警保局庶務課長、土木局道路課長、同港湾課長、衛生局保健課長など、内務省内の要職を歴任しました。これらの職務を通して、彼は地方行政から中央官庁における政策立案まで、幅広い行政経験を積みました。

1931年12月には、岐阜県知事に就任し、その後、滋賀県知事、福島県知事を歴任しました。1937年7月には岡山県知事に就任し、着任直後の水害対応や、日中戦争勃発に伴う軍人遺家族援護会事業の推進に尽力しました。特に、岡山県知事時代は、その激務が祟り、岡山市の深柢小学校講堂で開かれた援護会事業講演会で講演中に倒れ、再起不能となりました。その後、1939年10月に休職し、その生涯を閉じました。

彼の墓所は、東京都の多磨霊園にあります。

親族

伊藤武彦の岳父は、貴族院多額納税者議員を務めた三橋弥であり、妻の富士子の父にあたります。

人物

伊藤武彦は、そのキャリアを通じて、内務官僚としての能力を発揮し、地方行政の発展に貢献しました。特に、県知事としては、災害対応や戦時下の遺族援護など、困難な課題にも果敢に取り組みました。しかし、その激務が彼の健康を蝕み、志半ばで職を辞することとなりました。彼の行政官としての情熱と功績は、後世に語り継がれるべきでしょう。

参考文献

人事興信所 編『人事興信録 第8版』人事興信所、1928年。
歴代知事編纂会編『新編日本の歴代知事』歴代知事編纂会、1991年。
秦郁彦編『日本官僚制総合事典：1868 - 2000』東京大学出版会、2001年。
『昭和物故人名録 昭和元年-54年』日外アソシエーツ、1983年。

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