三橋弥

三橋弥の生涯

三橋弥（みはし わたる）は、明治2年（1869年）に下総国千葉郡千葉（現在の千葉県千葉市）で影山峯之助として生まれました。東京帝国大学農科大学を卒業後、妻の実家である千葉県東葛飾郡鎌ヶ谷村（現在の鎌ケ谷市）の三橋家に養子入りし、三橋弥と改名しました。

農学者・実業家としての活動

三橋家は、江戸時代に名主や幕府の牧士を務めた旧家であり、義父の三郎は鎌ヶ谷村長を務めていました。三橋弥は、明治34年（1901年）に中沢に三橋農場を開設し、農事試験場、図書標本部、農事講習部を設置しました。農事講習部では、高等小学校卒業以上の者を対象に、無償で農業技術や学理を教授しました。さらに、養蚕業が盛んな長野県に蚕桑部を設け、先進技術の導入に尽力しました。また、葛飾瓦斯社長、北総鉄道や総武鉄道の取締役など、地元企業の重役も務めました。

政治家としての活動

明治35年（1902年）には、衆議院議員選挙に無所属で出馬しましたが、落選しました。その後、昭和7年（1932年）に貴族院議員に選出され、昭和14年（1939年）まで務めました。

地域への貢献

昭和9年（1934年）には、鎌ヶ谷尋常[[高等小学校]]（現在の鎌ケ谷市立鎌ケ谷小学校）の移転に際し、所有していた土地を学校用地として寄付しました。この土地には、後に鎌ヶ谷中学校も建設されました。

晩年と死後

三橋弥は、昭和31年（1956年）1月14日に88歳で亡くなりました。三橋家の墓所は、昭和52年（1977年）に鎌ケ谷市の文化財に指定されています。没後、鎌ヶ谷小学校の跡地に「三橋記念館」が建設されましたが、後に建て替えられ、現在は「きらり鎌ケ谷市民会館」としてその機能が引き継がれています。

著書と親族

著書には、岸秀次との共著『大日本実業学会普通農科講義録 作物汎論』があります。親族には、千葉郡役所首席書記官の兄・影山昇、藤山コンツェルン重役の弟・竹内荘治、内務官僚で県知事を歴任した娘婿・伊藤武彦などがいます。

三橋弥は、農業の発展に貢献し、地域社会の発展にも尽力した人物です。その功績は、現在も多くの人々に語り継がれています。

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