伊藤玖祥

伊藤 玖祥（いとう ひさよし）氏は、1993年4月12日に三重県で生を受けた日本の元ラグビー選手です。主にチームの攻撃の起点となるスクラムハーフ（SH）としてプレーし、そのキャリアの大部分をジャパンラグビーリーグワンに所属する三重ホンダヒート（旧称：Honda Heat）で過ごしました。身長166cm、体重74kgという体格ながら、俊敏性と的確な判断力でゲームメイクを担いました。

伊藤氏のラグビーキャリアは、自身の故郷である三重県で育まれました。地元の三重県立四日市農芸高等学校に進学し、ラグビー部で頭角を現します。高校時代にはチームの主将を務め、キャプテンシーを発揮。その活躍が認められ、ユース世代ではU17東海代表にも選出されるなど、将来を嘱望される存在となりました。高校卒業後、2012年には全国でも屈指の強豪として知られる帝京大学に進学。大学ラグビーのハイレベルな環境で、より一層技術と戦術理解を深めました。

帝京大学での4年間を経て、2016年に卒業と同時にHonda Heat（現・三重ホンダヒート）へ入団。プロラグビー選手としての道を歩み始めました。チーム加入後、プロの舞台で活躍するために日々練習に励み、着実に実力をつけていきました。そして、2017年11月25日に行われたジャパンラグビートップチャレンジリーグの日野自動車レッドドルフィンズとの公式戦で、待望の公式戦初出場を果たします。この試合に途中から出場し、プロキャリアにおける記念すべき一歩を記しました。

Honda Heatは、日本ラグビーのリーグ再編に伴い、後に「三重ホンダヒート」と名称を変えましたが、伊藤選手は長きにわたりこのチームの重要な一員として貢献しました。特にスクラムハーフというポジションは、FWとBKをつなぐ要であり、スピーディなパスさばきや状況判断が求められますが、伊藤選手はチームの戦術遂行において不可欠な存在でした。彼の愛称である「ひさよし」は、チームメイトやサポーターの間で親しまれ、地元三重県出身選手として多くのファンから応援されました。約8年間にわたるHonda Heatおよび三重ホンダヒートでの活動を通じて、日本のトップリーグであるリーグワンの舞台で戦うチームを支え続けました。

2023-24シーズンをもって、伊藤玖祥氏は所属していた三重ホンダヒートを退団することを発表し、2024年5月にチームを離れました。約8年間のプロキャリアに一つの区切りをつけ、これまでのラグビー人生で培った経験を活かして新たなステージに進むこととなります。地元三重県出身選手として、高校、大学、そしてプロとキャリアを積み重ね、ジャパンラグビーの舞台で活躍した伊藤氏の軌跡は、多くのラグビーファンに記憶されるでしょう。

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