伊藤留奈

伊藤留奈：女優、演出家としての多様な活動

伊藤留奈は、1971年東京都渋谷区生まれの女優、演出家である。父は俳優の伊藤正次、母は女優の水科慶子（伊藤慶子）という演劇一家に生まれ、女優の中川安奈とははとこにあたる。 幼少期から演劇に囲まれた環境で育ち、その才能を開花させた。

桐朋女子高等学校、桐朋学園芸術短期大学を卒業後、共立女子大学大学院文芸学研究科演劇学専攻を修了。演劇への深い探究心と確固たる学問的基盤を培ったことが、彼女の活動の幅広さと深みへと繋がっていると言えるだろう。

1992年、神山征二郎監督作品『川をわたる風』で映画デビューを果たす。その後、数々の舞台作品に出演。岩松了プロデュース作品への出演は、彼女の演技力を磨く上で大きな経験となった。岸田戯曲賞受賞作品である『ワンマンショー』への出演は、キャリアにおける大きな転換点の一つと言えるだろう。また、様々な劇団公演に参加し、多様な演出家との協働を通して、演技表現の幅を広げていった。

映画作品では、『学校の怪談』、『Dolls』など、個性的な作品への出演を通して、確かな存在感を示してきた。NHK、NTV、TBS、CX、ANB、TX、WOWOWなど、数多くのテレビドラマにも出演し、脇役から重要な役柄まで幅広くこなす演技力は高く評価されている。

俳優としての活動と並行して、演出家としても活躍している。2004年に「Ito・M・Studio」を設立し、2009年にはクリエイティブチーム「作戦会議」を立ち上げ、企画、制作、演出、講師として精力的に活動している。 「作戦会議」では、清水邦夫、岸田國士、チェーホフなど、古典から現代劇まで幅広い作品を手がけ、独自の演出スタイルを確立している。

さらに、教育者としての顔も持つ。目白大学短期大学部や共立女子大学で非常勤講師を務め、後進の育成にも尽力している。自身の演技研究クラスも開講し、実践的な指導を行うなど、若手育成にも熱心に取り組んでいる。

伊藤留奈の活動は、女優、演出家、講師といった枠にとらわれない、多様な才能が融合した稀有なものである。演劇界に多大な貢献を果たしてきた彼女の今後の活躍にも目が離せない。彼女のキャリアは、演劇界における多面的な才能と、芸術への揺るぎない情熱の証と言えるだろう。数々の舞台、映画、テレビドラマへの出演歴、演劇集団の主宰、大学での講師活動など、多角的に活動を展開し、演劇界に多大な貢献を果たしている。今後の活躍にも期待が高まる。

主要出演作品

舞台
クローズ・ユア・アイズ～ライカでグッドバイ
アイスクリームマン
センター街
傘とサンダル
野口雨情抄 枯れすすき
ワンマンショー (岸田戯曲賞受賞作品)
八月のシャハラザード
246番地の雰囲気
片手の鳴る音

映画
さくら
学校の怪談
スペーストラベラーズ
Dolls
ベルナのしっぽ
あしたの足音 (主演)

テレビドラマ (NHK、NTV、TBS、CX、ANB、TX、WOWOWなど多数)
元気をあげる～救命救急医物語
いとこ同志
新幹線物語'93夏
Dr.コトー診療所
みんな昔は子供だった
相棒
海賊戦隊ゴーカイジャー
など多数

演出作品 (作戦会議公演、Ito・M・Studio公演など多数)
清水邦夫作『楽屋』
岸田國士作『雪だるまの幻想』
竹内銃一郎作『東京大仏心中』
アントン・チェーホフ作『かもめ』
など多数

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