伊豆急行3000系電車

伊豆急行3000系電車

伊豆急行3000系電車は、「アロハ電車」の愛称で親しまれる、伊豆急行が保有する電車です。この車両は、老朽化した8000系を置き換えるために、JR東日本から譲渡された209系2100番台を再改造したものです。

概要

種車となった209系2100番台は、もともと京浜東北線・根岸線で活躍していた車両で、房総地区での運用を経て伊豆急行に譲渡されました。6両編成だったものを4両編成に短縮し、伊豆急行線内での運用に最適化されています。

JR東日本の209系2100番台が選ばれた理由はいくつかあります。

伊豆急行線と相互直通運転を行っているJR東日本の車両であること
VVVFインバータ制御を採用しており、性能向上とコスト削減が期待できること
トイレ、セミクロスシート、電気連結器、車内案内表示器など、必要な設備が既に設置されており、改造コストを抑えられること
JR東日本時代に機器更新を受けており、長期間の運用が可能であること

209系は「寿命半分」というコンセプトで製造されたものの、譲渡された2編成は車体の状態が良好で、長期間の運用に耐えられると判断されました。この導入により、8000系2編成6両が運用を離脱しています。

改造内容

伊豆急行線での運用に必要な設備が既に備わっていたため、改造は最小限に抑えられています。主な変更点として、今井浜海岸駅で使用するドアカット装置の追加などがあります。

外観は、「観光路線を走るにあたり、少しでも非日常を味わってもらう」というコンセプトに基づき、2100系登場時の塗装を参考に、海側が赤系、山側が青系のラッピングが施されました。また、ウミガメ柄があしらわれ、車両前面は伊豆急下田方が赤、伊東方が青と塗り分けられています。スカートにも同様の塗装が施されています。

内装は基本的にJR時代のままですが、車内の掲示物が変更され、ドアには1両につき4枚、沿線の海岸風景のラッピングが施されました。側面窓上の広告枠には、本系列の車歴を紹介するポスターが掲示されています。

編成

編成と新旧の車両番号の対照は以下の通りです。


モハ3200にはトイレが設置されており、モハ3100は弱冷房車となっています。

C609編成で4・5号車として連結されていたモハ209・208-2117のユニット2両も部品取り車両として譲渡され、帯を剥がされた後、伊豆高原駅の側線に2100系サロ2182（黒船電車・ロイヤルボックス車両）と並んで留置されています。

運用

2022年4月30日から伊豆急行線での定期運行を開始しました。当初は伊豆急行線内のみの運用でしたが、同年6月13日よりJR伊東線への乗り入れ運用が開始されました。

本系列は2編成を併結した8両編成での運用を前提に導入されましたが、当初は4両編成単独での運用が組まれていました。

関連項目

JR東日本209系電車
東京臨海高速鉄道70-000形電車

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