伊豆箱根バス小田原営業所

伊豆箱根バス小田原営業所について

伊豆箱根バス小田原営業所は、神奈川県小田原市にある伊豆箱根バスの主要営業拠点の一つです。この営業所は、小田原駅から箱根方面への観光路線および小田原市や周辺の地域路線を運営しています。観光地の箱根に向かう路線では、かつては小田急グループの箱根登山鉄道と競合がありましたが、現在は業務提携を通じて協力の道を模索しています。

競争から協調へ

2003年12月に西武グループと小田急グループが業務提携を結び、箱根地区の交通サービスの向上を図る取り組みが始まりました。これにより、バス停の名称が統一され、より利便性が高まることとなりました。最初の成果として、2010年には系統記号の導入や共同路線図の作成が行われ、バス停留所でもこれが掲示され始めました。さらに、2019年にはナンバリングが実施され、利用者は整然とした情報提供を受けられるようになりました。しかし一方で、小田急電鉄が発行する「箱根フリーパス」についての統一は未だに実現していません。

車両と路線の進化

小田原営業所が担当する路線には、高速路線や一般路線があり、特に箱根への観光路線は冬季限定の「苗場ホワイトスノーシャトル」が代表的です。この路線は西武観光バスとの共同運行となっており、新型コロナウイルスの影響により、運行形態にも変化が見られました。また、一般路線については2020年度よりすべての路線にPASMOが導入され、利便性が向上しました。特に箱根エリアの路線は共同運行を行っており、地域間の交通ニーズにも応える体制が整っています。

歴史の流れ

この営業所の歴史は1931年にさかのぼり、久野小酒部乗合自動車として小田原駅と久野を結ぶバス運行が始まりました。その後、1940年に大雄山鉄道に譲渡され、1941年には駿豆鉄道と合併し、伊豆箱根鉄道の営業所としてスタートしました。

1950年代に入ると、小田原駅から箱根・湯河原駅への路線が開通し、さらなる発展が見られました。1965年には現在の営業所が完成し、その後も様々な改良が施されてきました。特に2007年には交通系ICカード「PASMO」の導入が進み、利便性が向上しました。

未来への展望

現在、伊豆箱根バス小田原営業所は、地域交通の要として重要な役割を果たしています。バス運行の効率化や利便性の向上を目的とした取り組みが継続されており、地域住民や観光客にとって欠かせない交通手段となることを目指しています。これからも観光地へのアクセスを改善し、新たなサービスの提供をすることで、さらなる発展を遂げていくでしょう。

参考文献

• - 青田孝『箱根の山に挑んだ鉄路 「天下の険」を越えた技』交通新聞社、2011年。
• - 加藤利之『箱根山の近代交通』神奈川新聞社、1995年。

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