伊豆縦貫自動車道

伊豆縦貫自動車道

伊豆縦貫自動車道は、静岡県沼津市から下田市に至る高規格幹線道路であり、伊豆半島の主要都市を結ぶ重要な交通インフラです。この道路は、東名高速道路、新東名高速道路と接続し、伊豆半島へのアクセスを大幅に向上させることを目指しています。以下に、その概要、構成、歴史、現状、そして将来計画について詳しく解説します。

概要

伊豆縦貫自動車道は、全長約60kmの計画で、東名高速道路の沼津ICを起点とし、新東名高速道路の長泉JCTを経由して、下田市の下田IC（仮称）に至る予定です。この道路は、国道1号、国道136号、国道414号の一部として指定されています。

開通により、沿線の交通渋滞の緩和、災害時の代替ルート確保、観光客の利便性向上が期待されています。全線開通すると、沼津ICから下田市までの所要時間は、従来の約110分から約60分へと大幅に短縮される見込みです。

高速道路ナンバリングでは、「E70」が割り当てられています。

構成

伊豆縦貫自動車道は、いくつかの区間から構成されています。

東駿河湾環状道路：沼津岡宮ICから函南IC（仮称）までの区間と、大場・函南ICから函南塚本ICまでの連絡路を含む無料区間です。
函南修善寺道路（仮称）：函南IC（仮称）と修善寺JCT（仮称）間の約16kmの区間は、現在調査中の区間です。この区間は、東駿河湾環状道路の連絡路と伊豆中央道を経由して修善寺道路に接続する形が実質的な代替路となっています。
修善寺道路：修善寺ICから大仁中央ICまでの有料区間です。この区間には高速道路ナンバリングは導入されていません。
天城北道路：修善寺JCT（仮称）から月ケ瀬ICまでの無料区間と、修善寺ICから修善寺JCT（仮称）までの連絡路で構成されています。中伊豆地域の渋滞緩和と緊急輸送路の機能強化を目的としています。
天城峠道路：月ケ瀬ICから河津七滝IC間の区間で、国道414号のバイパスとして計画されています。浄蓮の滝付近に中間ICが設置される予定で、ルートの多くが地下式で建設される予定です。
河津下田道路：河津七滝ICから下田IC（仮称）までの無料区間です。伊豆半島南部の交通渋滞緩和や災害時の代替路確保を目的としています。

歴史

伊豆縦貫自動車道の建設は、1987年の建設促進期成同盟の設立から始まりました。1988年度には東駿河湾環状道路と修善寺道路の事業が開始され、その後、区間ごとに基本計画や整備計画が決定されました。

1992年には修善寺道路の一部が開通し、1998年には全線開通しました。2009年には東駿河湾環状道路の一部が開通し、2012年には長泉JCTが供用開始となり、新東名高速道路に接続しました。2014年には東駿河湾環状道路が伊豆中央道と直結し、2019年には天城北道路の一部が開通しました。2023年3月には河津下田道路の一部が開通しています。

現状

現在、伊豆縦貫自動車道の一部が開通しており、東駿河湾環状道路、修善寺道路、天城北道路、河津下田道路の一部区間が利用可能です。しかし、函南修善寺道路や天城峠道路など、未開通の区間も残されており、建設が進められています。

開通済みの区間では、交通量の分散、所要時間の短縮などの効果が現れていますが、道路沿いの商業施設への影響や、交通量の増加に伴う新たな課題も発生しています。

将来計画

今後の計画としては、未開通区間の早期開通を目指しています。特に、天城峠道路の建設は、安全性の向上と交通の円滑化に不可欠です。また、伊豆中央道や修善寺道路の無料化についても検討されており、伊豆地域の交通インフラのさらなる発展が期待されています。

道路施設

サービスエリア・パーキングエリアは、本線上に設置されていませんが、近隣には伊豆フルーツパークや道の駅伊豆ゲートウェイ函南、道の駅伊豆のへそ、道の駅伊豆月ケ瀬などの施設があります。

主なトンネルや橋としては、芹沢川橋、新桃沢川橋、佐野トンネル、雲金トンネル、河津桜トンネルなどがあります。

接続する高速道路

伊豆縦貫自動車道は、以下の高速道路と接続しています。

E1 東名高速道路：沼津岡宮IC
E1A 新東名高速道路：長泉JCT

まとめ

伊豆縦貫自動車道は、伊豆半島の交通網を大きく変える可能性を秘めた重要な道路です。開通済みの区間では、既にその効果が確認されており、今後の全線開通が期待されます。地域住民の生活の質を向上させ、観光客の利便性を高め、災害時には重要な代替路として機能するなど、多岐にわたる役割を果たすことが期待されます。

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