浄蓮の滝

浄蓮の滝

浄蓮の滝は、静岡県伊豆市湯ヶ島に位置する、日本の[[滝百選]]に選ばれた名瀑です。狩野川上流部の本谷川にあり、天城山の北西麓に位置しています。約1万7000年前の鉢窪山スコリア丘の噴火で流出した玄武岩溶岩流を流れ落ちる直瀑で、落差は25m、幅は7m、滝壺の深さは15mに達します。岩盤には柱状節理が見られ、自然の造形美を感じることができます。

歴史

その昔、滝の左岸付近に「浄蓮寺」という寺院があったことが、この滝の名前の由来とされています。明治時代に篤志家が滝へ降りる道を開くまでは、断崖と峡谷に阻まれ、容易に近づけない神秘的な場所でした。しかし、道が開かれたことで、多くの人がその美しい姿を目の当たりにできるようになりました。

自然

滝の周辺には、日本では伊豆半島と熊本県にのみ自生する珍しいシダ植物「ハイコモチシダ（ジョウレンシダ）」の群生地が広がっています。これは静岡県の天然記念物にも指定されており、貴重な自然環境が保たれています。また、沢沿いにはワサビ田が広がっていますが、関係者以外は立ち入りが禁止されています。

アクセス・周辺情報

滝へは無料駐車場が完備されており、お土産店も並んでいます。駐車場からは谷を下る必要があります。足腰に自信のない方には少し厳しいかもしれません。滝壺の近くにもお土産店があります。また、滝の脇には、演歌歌手・石川さゆりのヒット曲『天城越え』の歌碑があります。これは、歌詞に浄蓮の滝が登場することに由来しています。

伝説

浄蓮の滝には、女郎蜘蛛の精が棲むという伝説があります。昔、樵夫が滝壺に落とした鉈を探しに入った際、美しい女性に出会いました。その女性から、出会ったことを口外しない約束をさせられましたが、村人から「滝の主は女郎蜘蛛だ」と聞いた樵夫が、その出来事を話してしまったところ、深い眠りに落ちてしまったという話です。

アクセス

公共交通機関を利用する場合は、東海バス「浄蓮の滝」停留所から徒歩約5分です。

周辺情報

伊豆東部火山群: 鉢窪山が属する火山群です。
萬城の滝: 伊豆市内にあり、浄蓮の滝と同じく天城山を源流とする滝です。
河津七[[滝]]: 伊豆市に隣接する河津町にある、天城山を源流とする滝の総称です。
伊豆半島ジオパーク: 伊豆半島全体がジオパークとして認定されています。

参考資料

『日本の滝① 東日本661滝』 北中康文/写真・文、2004年、山と溪谷社

外部リンク

浄蓮の滝 - 伊豆半島ジオパーク
浄蓮の滝観光センター
天城温泉郷観光ガイド - 伊豆市観光協会 天城支部

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