伊賀崎道順

伊賀崎道順（生没年不詳）は、戦国時代に活躍した伊賀流の忍者です。中忍という身分であり、伊賀楯岡（現在の三重県伊賀市）の出身であったため、「楯岡ノ道順」とも呼ばれていました。

道順は、初め伊勢の北畠氏に仕え、後に近江の六角氏に仕官しました。六角義賢に仕えていた頃、義賢の家臣であった百々氏が謀反を起こします。道順は、この鎮圧に大きく貢献しました。百々氏の居城である沢山城（後の佐和山城とする説もあります）に単身で忍び込み、城に火を放ちました。城内は大混乱に陥り、結果として城は陥落。道順は、この功績によって名を上げました。当時、難攻不落と言われた沢山城も、「伊賀崎入れば落ちにけるかな」と詠われたほど、道順の忍術は恐れられました。

また、道順は鉄砲の名手としても知られていました。一説によれば、織田信長の暗殺を企て、鉄砲で狙撃を試みたとも伝えられています。しかし、この暗殺計画は失敗に終わり、信長に命中することはなく、隣にいた人物に当たってしまったという記録が残っています。ただし、この信長暗殺未遂は、道順ではなく城戸弥左衛門の仕業であるという説も存在します。

このように、伊賀崎道順は、戦国時代の忍びとして、数々の逸話を残しています。彼の活躍は、伊賀流忍者の名を高め、後世に語り継がれることとなりました。

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