六角義賢

六角 義賢の生涯

六角 義賢は、戦国から安土桃山にかけて活躍した日本の武将であり、近江国の守護大名であった。彼は六角氏の15代当主で、観音寺城の主でもあり、官位は従五位下・左京大夫であった。義賢は、剃髪後に承禎（じょうてい）と号し、その生涯を通じて多くの戦乱に関わることとなる。

家督相続と元服

義賢は大永元年（1521年）、六角定頼の嫡男として誕生した。天文二年（1533年）4月21日に観音寺城で元服し、室町幕府の12代将軍・足利義晴から偏諱を受け、義賢の名を賜った。父定頼の晩年には共同で統治を行い、兄妹の細川晴元を支援し、三好長慶と戦った。天文21年（1552年）、父が亡くなると、義賢は六角家の当主となり、遠くは伊賀国の間接統治も行う重要な地位に就いた。

三好氏と浅井氏との争い

家督を継いだ後も、義賢は京都での政治活動や三好長慶との抗争を続けた。特に、北白川の戦いでの義輝との仲介は彼の手腕を示す。だが、永禄3年（1560年）には、浅井長政との戦いで大敗を喫する（野良田の戦い）。この敗北を受けて、義賢は斎藤義龍と同盟を結ぶが、戦況は厳しかった。道義的に保守的な立場から、彼は室町時代からの盟友である土岐氏との関係を優先し、信長との戦に巻き込まれるリスクを懸念していた。

上洛と観音寺騒動

永禄4年（1561年）、承禎は義輝の支援を行い、三好氏との戦いで一時的に成功したが、自身の手腕に問題を抱えており、家臣の信任を喪失する事件が発生する。具体的には、永禄6年には後藤賢豊が観音寺城内での暗殺事件が起こり、これにより義賢の威信は大きく揺らいだ。この騒動を乗り越えたものの、家中は二分され、義賢は窮地に立たされる。

織田信長との対抗

永禄11年（1568年）、織田信長が足利義昭を奉じて上洛を開始すると、義賢は信長との対抗を決意。観音寺城の戦いで敗北し、南部の甲賀郡に本拠を移すことになるが、織田軍との抗争は続いた。元亀元年（1570年）、義賢は信長の重臣たちと戦い、南近江で優勢となる場面もあった。

晩年と放浪

しかし、元亀4年（1573年）には彼と連携していた浅井長政や朝倉義景が敗北する中で義賢も追い詰められる。信長の圧力のもと、彼の勢力は衰退し、最終的には豊臣秀吉の配下となった。天正9年（1581年）にはキリシタンの洗礼を受け、慶長3年（1598年）に78歳で亡くなる。

結び

義賢の死後、彼の家系はそれぞれの道を歩む。子の義治と義定はそれぞれ別々の領地で影響を持ち続け、義賢が築いた基盤の上にそれぞれの歴史を刻むこととなる。義賢の生涯を通じて、彼は戦国時代の波乱の中で存続を試み、時には同盟、時には争いを経て歴史に名を刻むこととなった。

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