伊達宗倫 (登米伊達家)

伊達宗倫の生涯と業績

伊達宗倫（だて むねとも）は、江戸時代前期に活躍した仙台藩の第4代当主であり、伊達家一門における重要な寄与者でした。彼は1640年4月3日に、仙台藩の2代藩主・伊達忠宗の五男として誕生しました。幼名は辰之助と呼ばれましたが、1644年に同母兄の五郎吉の死去を受け、1646年には正式に登米伊達家を継承し、4代当主となりました。

宗倫は1650年に元服し、名前を宗倫に改めました。彼の在位中、藩内では新田開発が進められ、彼が就任した際には知行高1万570石でしたが、万治3年（1660年）までに1万2168石に増加、最終的には1670年には1万4152石にまで達しました。この新田開発は藩の経済を活性化させましたが、同時に隣接領域との境争いの火種を生む結果になりました。

特に、寛文年間には同じく新田開発を進めていた涌谷伊達家の当主・伊達宗重との間で境争論が頻繁に発生しました。宗倫は過去に袋中地方を巡る争論で屈従を強いられたため、境争論に対しては強硬な姿勢を見せることが多かったです。

寛文5年（1665年）、宗倫と宗重の間に生じた登米と涌谷領の争いでは、宗重が妥協して宗倫に係争地を譲る形となりました。しかし、寛文7年の争いでは、双方の主張が大きく異なり、明確な証拠が失われたことも否めず、問題の解決は容易ではありませんでした。宗倫は仙台本藩による裁決を求め、幕府に訴えを起こしましたが、なかなか決着には至りませんでした。

寛文9年（1669年）にはついに本藩が介入し、裁定が下されます。この裁定から輩出された複雑な結果が、伊達騒動の引き金となることになります。まして宗倫は、さまざまな争論に巻き込まれた結果、しばしば宗勝派の中心的な立場に立たされました。

宗倫自身は、1670年1月15日に江戸で4代将軍・徳川家綱に拝謁した後、帰国するやいなや病に倒れ、1670年2月10日に31歳の若さで世を去りました。彼の家督は養子・伊達村直が引き継ぎました。宗倫は自身が再興した覚乗寺に埋葬され、彼の霊屋は文化財に指定されています。

系譜

• - 父: 伊達忠宗（1600-1658）
• - 母: 瑞昌院 - 側室、長田忠重の娘
• - 養父: 伊達五郎吉（1638-1644）
• - 正室: 霊光院 - 白石宗貞の二女
• - 養子: 伊達村直（1666-1709） - 伊達綱宗の四男

伊達宗倫の業績と生涯は、江戸時代における藩の発展と複雑な権力闘争を象徴するものであり、彼の影響は現在においても語り継がれています。

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