伊達宗泰

伊達宗泰は、江戸時代初期、仙台藩の重鎮として活躍した伊達政宗の四男です。慶長7年(1602年)、伏見屋敷で誕生しました。幼名は愛松丸。

成長した愛松丸は、慶長8年(1603年)、政宗が岩出山城から青葉城に移った際に、岩出山城と3000石の知行地を与えられ、新たな生活を始めることになります。この時、傅役を務めていた山岡重長が城代として岩出山城を支えました。

その後、慶長19年(1614年)、元服して宗泰と名乗り、寛永2年(1625年)には伊達宗利の長女と結婚。更に寛永3年(1626年)には、弟の宗高と共に兄の忠宗に随行し、江戸で徳川秀忠と徳川家光に謁見するなど、着実に地位を築いていきました。

寛永4年(1627年)には、従五位下・三河守に叙任され、知行地も10670石にまで加増されました。この頃より、政宗の命により、宗泰は岩出山に常駐せず、一時帰国を除いては江戸に滞在し、大名に匹敵する役割を担うようになります。

『伊達世臣家譜』には、「五万石の分を以て将軍幕下に仕う」と記されており、宗泰の幕府における重要な役割がわかります。政宗は、宗泰を支藩の主としてではなく、新たに恩賞を与えられ独立した大名となることを期待していました。そのため、幕府に対して宗泰への恩賞を何度も願い出ましたが、残念ながら実現には至りませんでした。

寛永15年12月23日(1639年1月26日)、宗泰は37歳という若さで江戸で亡くなりました。彼の死後、嫡男である宗敏が岩出山伊達家の家督を継承しました。

宗泰の生涯は、伊達政宗の庶子として生まれながらも、高い地位と責任を担い、仙台藩と幕府との繋がりを強める上で重要な役割を果たしたことを示しています。彼が岩出山城を拠点とした一族の繁栄に貢献したことは、間違いありません。彼の功績は、現代においても岩出山町の史書などに記録され、後世に伝えられています。

宗泰の系譜を見ると、父は伊達政宗、母は側室の祥光院です。正室は伊達宗利の長女、池照院であり、他に側室として瓊林院がいました。子供には、長男で後継者となった伊達宗敏、そして早世した次男の伊達右京、長女（福原資房の妻）がいます。

宗泰の生涯は、単なる政宗の四男という枠を超え、江戸時代の政治情勢や家系図を知る上で重要な資料となっています。彼の存在は、仙台藩の歴史を語る上で欠かせないものと言えるでしょう。様々な史料から彼の足跡をたどることで、当時の社会状況や伊達家の内部事情をより深く理解することができます。

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