岩出山伊達家

岩出山伊達家

岩出山伊達家は、仙台藩祖・伊達政宗の四男である宗泰を祖とする分家です。慶長8年（1603年）に政宗が居城を岩出山城から青葉城へ移した際、宗泰が岩出山城を与えられ、14643石の知行地を領したことに始まります。ここでは、岩出山伊達家、そして戊辰戦争後に北海道開拓を行った当別伊達家について解説します。

岩出山伊達家の歴史

岩出山伊達家は、宗泰以降、代々岩出山を治めました。しかし、10代当主・伊達邦直の時代に戊辰戦争が勃発。敗戦により所領を没収されることとなります。邦直は、弟である亘理城主・伊達邦成らと共に北海道開拓を志願し、明治4年（1871年）3月に移住を決行。

移住に際し、岩出山に残る旧家臣から当主を現地に残すよう求められたため、邦直は三男・篤三郎に岩出山の家督を譲り、自らは別家（当別伊達家）を興して現在の当別町を開拓しました。

当別伊達家の成立と発展

邦直は開拓に尽力し、明治24年（1891年）に亡くなりましたが、その功績が認められ、翌明治25年（1892年）に孫の正人が男爵位を授けられ、当別伊達家は華族に列することとなりました。

岩出山伊達家の所領

岩出山伊達家は、以下の地域を所領としていました。

玉造郡：14か村（岩出山、鵙目、南沢、上野目、下野目、上宮、下宮、上一栗、下一栗、大口、名生定、鳴子、葛岡、名生）
志田郡：5か村（船越、須摩屋、稲葉、石森、馬寄）
栗原郡：2か村（沢田、若柳）
遠田郡：1か村（馬放）
黒川郡：1か村（大衡）

岩出山伊達家・当別伊達家　歴代当主

岩出山伊達家

1. 伊達宗泰
2. 伊達宗敏
3. 伊達敏親（宗親）
4. 伊達村泰
5. 伊達村緝
6. 伊達村通
7. 伊達村則
8. 伊達宗秩
9. 伊達義監
10. 伊達邦直
11. 伊達篤三郎
12. 伊達英
13. 伊達寧永
14. 伊達宗夫

当別伊達家

1. 伊達邦直
2. 伊達基理
3. 伊達正人

系図

（省略）

参考文献

昭和『岩出山町史』上巻（宮城県玉造郡岩出山町、1970年）
平成『岩出山町史』通史編・上巻（宮城県大崎市、2009年）
伊達宗弘・伊達君代『仙台藩最後のお姫さま 北の大地に馳せた夢』（新人物往来社、2004年）

関連項目

* 吾妻謙 (仙台藩) - 幕末の岩出山伊達家の家老。

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