伊達村年

伊達村年（だて むらとし）は、江戸時代中期の大名であり、伊予国宇和島藩の第4代藩主として知られています。官位は従四位下・遠江守。

生涯

村年は、第3代藩主・伊達宗贇（だて むねただ）の三男として生まれました。母は側室である宇和島藩士の娘、中里氏です。幼名は伊勢松、伊織と名付けられました。初めは宗貞（むねさだ）、貞清（さだきよ）と名乗っていましたが、後に改名しています。正室は、宗贇の従兄弟にあたる仙台藩主・伊達吉村（だて よしむら）の娘、富子です。村年の諱は、義父である吉村から一字拝領して改めたものです。また、側室として松川氏がいました。

兄である宗相（むねすけ）が早世したため、宝永7年（1710年）4月2日に世子に指名され、翌年、父の死去に伴い家督を継ぎました。

藩主として、村年は藩政に尽力しますが、その治世は困難に満ちていました。享保13年（1728年）から享保16年（1731年）にかけて、風水害が相次いで発生。さらに、享保17年（1732年）には虫害が発生し、藩内は凶作と大飢饉に見舞われました。これにより、藩の財政は著しく悪化しました。

この状況を打開するため、村年は倹約令の発布や有能な人材の登用を主とした藩政改革を断行しようと試みました。しかし、享保20年（1735年）5月28日、参勤交代で帰国途上の播磨国加古川（現在の兵庫県加古川市）にて、31歳という若さで急死しました。志半ばでの死であり、改革は成果を挙げることなく終わりました。跡は長男の村候（むらとき）が継ぎました。法号は泰雲院殿宗山紹沢大居士。

系譜

父：伊達宗贇（1665年 - 1711年）
母：中里氏
正室：富子（徳子） - 伊達吉村の三女
長男：伊達村候（1725年 - 1794年）
二女：幾 - 柳沢信鴻正室
三男：青木一貫（1734年 - 1786年） - 青木一新の養子
四男：某 - 夭折
四女：鉄 - 夭折
側室
長女：繁 - 夭折
側室：松川氏
次男：島内徳風 - 島内家を興す、歌人

参考文献

近代史文庫宇和島研究会 編『家中由緒書 上』1976年。
宇神幸男『宇和島藩』現代書館〈シリーズ藩物語〉、2011年。

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