伏見宿 (中山道)

伏見宿：中山道の歴史を今に伝える宿場町

伏見宿は、中山道50番目の宿場として、美濃国可児郡伏見村（現在の岐阜県可児郡御嵩町）に位置していました。木曽川の流れの変化により渡し場の位置が上流へ移動した結果、土田宿が廃止され、1694年（元禄7年）に上流の伏見に新たな宿場が誕生しました。

宿場町の概況

1843年当時、伏見宿は尾張藩の領地であり、人口は約485人、家数は82軒でした。宿場には本陣が1軒、脇本陣が1軒、そして旅籠が29軒存在し、旅人たちで賑わっていました。

現在、伏見宿の面影は、国道21号が付近を貫いているため、ほとんど残っていません。しかし、わずかに残る史跡や見どころが、当時の賑わいを今に伝えています。

最寄り駅

名鉄広見線 明智駅

史跡・みどころ

「本陣之跡」碑: かつての本陣があった場所を示す石碑。
新村湊跡: 木曽川の水運を利用した湊の跡。

太田宿までの史跡・みどころ

今渡の渡し場跡: 中山道の三大難所の一つ。江戸中期に完成し、1927年に太田橋が架かるまで渡し場として機能していました。

歴史的な出来事

1824年（文政7年）には、オランダ商人によって輸入されたペルシャの駱駝が、幕府への献上品として伏見宿にやってきました。幕府が辞退したため興行師の手に渡り、江戸へ向かう途中に伏見宿に3日間滞在し、多くの見物客を集めたと記録されています。

隣の宿

中山道: 御嶽宿 - 伏見宿 - 太田宿
* 木曽街道: 伏見宿 - 土田宿

伏見宿は、中山道の宿場町としての役割を終えましたが、その歴史は今も静かに息づいています。訪れる人々は、かつての宿場町の風景を想像しながら、歴史の足跡を辿ることができます。

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