伏見駅 (京都府)

近鉄伏見駅：歴史と現状

近鉄京都線伏見駅は、京都府京都市伏見区深草柴田屋敷町に位置する、近畿日本鉄道（近鉄）京都線の駅です。駅番号はB06。この駅は、長い歴史と、近年の変化が共存する特徴的な場所となっています。

伏見駅の歩み：国鉄時代から近鉄時代へ

伏見駅の歴史は古く、1895年、奈良鉄道の開業と同時に南の終着駅として誕生しました。その後、奈良鉄道は関西鉄道となり、国有化を経て国有鉄道の駅となりました。1921年には路線変更により、京都駅～伏見駅間が廃止され、貨物駅に転換。さらに1928年には桃山駅～伏見駅間も廃止され、廃駅となりました。

しかし、1928年11月15日、奈良電気鉄道京都～桃山御陵前間の開通に伴い、近鉄伏見駅として再出発を果たします。この近鉄伏見駅は、現在の高架駅とは異なり、当初は平面駅でした。その後、1945年には京阪本線丹波橋駅への乗り入れを開始。1963年には会社合併により近畿日本鉄道の駅となりました。2007年にはICカード「PiTaPa」の利用を開始し、2024年には終日無人駅化が予定されています。

興味深いのは、近鉄伏見駅が高架構造である理由です。建設当時、駅北西側の京都府道115号線（竹田街道）を京都市電伏見線が走っており、立体交差の必要性から高架駅が選ばれました。奈良鉄道時代は平面駅だったため、市電との衝突事故も発生していたことが記録に残っています。

駅構造と周辺環境

近鉄伏見駅は、相対式2面2線のホームを持つ高架駅です。ホームの有効長は6両分となっており、改札口は1ヶ所のみです。改札・コンコースは1階、ホームは2階にあります。無人駅であるため、PiTaPa・ICOCA対応の自動改札機や自動精算機が設置され、利便性が確保されています。

伏見稲荷大社への最寄り駅と誤解されるケースが多いことから、「伏見稲荷へは京阪本線伏見稲荷駅をご利用ください」という案内看板が設置されています。

駅周辺は、歴史的な建造物や観光スポットが点在するエリアです。また、日常の生活に必要な施設も充実しており、住宅地と商業地が調和した環境となっています。駅北側の柴田屋敷町公園には、京都市電1800形（1829号）が保存されており、歴史を感じさせるスポットとなっています。

交通アクセス

バス路線は、駅から徒歩5分ほどの竹田街道沿いに位置する棒鼻バス停や西墨染通バス停が利用可能です。京都市営バスと近鉄バスが運行しており、京都駅方面や周辺地域へのアクセスが容易です。近鉄バスは駅前の国道24号を通りますが、駅前にはバス停がありません。

利用状況

近年の1日平均乗降客数は、7000人前後で推移しています。近年では、2023年11月7日の調査で7,323人、2022年11月8日で6,797人、2021年11月9日で6,595人と変動が見られますが、比較的安定した利用状況を保っています。

隣の駅

近鉄京都線では、普通列車が停車し、竹田駅と近鉄丹波橋駅に挟まれた位置にあります。急行や準急は当駅を通過します。

まとめ

近鉄伏見駅は、歴史と現代が交差する、変化に富んだ駅です。長い歴史と、近年の発展が融合したこの駅は、今後も地域社会の重要な交通拠点として機能していくことでしょう。

もう一度検索