休職

休職（きゅうしょく）の概要

休職とは、雇用契約を維持しながら、長期間にわたり労働の義務が免除される制度を指します。この状態は、何らかの理由で仕事を続けることができない場合に適用され、企業の就業規則などに基づいて実施されます。休職中は労働基準法に基づき、使用者の責任による事由による休業の場合、労働者には休業手当が支給されることが定められています。

公務員の休職

公務員に関しては、休職に関する詳細な規定が法律によって整備されています。具体的には、国家公務員法第79条や自衛隊法第43条、さらに地方公務員法第28条第2項が関与しています。これらの法律により、以下のような場合には職員の意向に反して休職することが可能となります。

1. 心身に障害があり、長期間の休養が必要な場合。
2. 刑事事件に関連して起訴された場合。

また、国会職員については独自の規定があり、国会職員法第13条によって、他にもいくつかの状況で強制的な休職が適用されることがあります。具体的には、懲戒処分のために国会職員考査委員会の審査を受けるときや、廃職や定員を減らすことで過員が生じた場合、または事務上の都合で必要と判断されたときです。

特に国会職員の場合には、心身の故障や事務の都合により休職する場合も、考査委員会の審査を経る必要があります。また、廃職や定員改正による場合は、休職の期間が最長で1年とされており、状況によっては早期復帰の道もあります。

休職の手続きと権利

国家公務員法第89条や地方公務員法第49条では、休職される職員には理由を記載した説明書が交付される必要があります。職員が自ら休職処分を受けたと疑う場合、説明書の請求が可能であり、この書類には不服申し立ての手続きや期限についての情報も記載されていなければなりません。

職員が自己の意思で休職を希望する「依願休職」は法的な枠組みにおいては認められておらず、ただし任命権者が認めるならその処分は無効とはされないとの最高裁の判例があります。

休職中の給与と「ノーワーク・ノーペイ」

原則として、休職中は「ノーワーク・ノーペイ」の原則により給与は支給されません。しかし、休職理由が必ずしも本人の責に帰するものばかりではないため、多くの場合、休職期間中でも給与は減額されつつ支給されることが一般的です。

関連項目

• - 年次有給休暇
• - 停職（懲戒処分）
• - 免職
• - 失職

このように、休職制度は公務員を含む多くの職場で重要な役割を果たしており、労働者の権利と保障を意識した制度設計がなされています。

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