失職

失職（しっしょく）についての詳細

失職とは、広い意味では職を失うことを指し、特に公務員においては、様々な理由により職務を喪失することが含まれます。公務員の失職は、特定の法律に基づき自動的に発生する場合があります。以下では、失職の主なケースとその理由について詳しく解説します。

公職への立候補による失職

公職選挙法によると、首長や議員が公職候補者となると、その時点で公務員の地位を失います。この規定は、公務に従事しながら他の選挙に出馬することの弊害を避けるために導入されています。ただし、任期満了後に再選を目指す場合は、失職せずに職務を全うできます。このような失職を自動失職と呼ぶことがあります。

被選挙権喪失に伴う失職

選挙後に被選挙権を失った場合も失職に至ります。たとえば、禁錮以上の刑に処せられた場合などが該当します。また、公職に在任中に収賄や選挙法違反で有罪となった場合も同様です。これに関連して、秘書や親族が違反した場合には連座制も適用されます。

国会議員の失職

国会議員は、衆議院の解散や除名処分によって失職します。衆議院が解散されると全議員が身分を失い、除名は対象議員の所属議院において出席議員の3分の2以上の賛成があれば成立します。

地方自治体の首長

地方自治法では、議会から不信任決議を受けると、首長は10日以内に辞職または議会を解散する必要があります。これに従わなければ失職します。また、有権者の署名によるリコールによっても失職することがあります。

地方自治体の議員

議会の議員は転出や除名処分により失職します。他の自治体に転出した場合、選挙権を失い、同時に被選挙権も喪失します。また、議会の解散請求や特定の議員の解職請求も可能で、承認されればその議員が失職します。

その他の公務員の失職

一般の公務員も、欠格条項に該当することにより自動的に失職します。人事院規則では職員が欠格条項に該当した場合、任命権者の処分なしに職を失うと定義されています。しかし、定年退職については、定年が来た時点で自動的に失職し、通常、辞令が発令されることがあります。

定年制と失職

国家公務員や地方公務員には明確な定年制が存在し、定年に達した際には職を失うことになります。国家公務員法及び地方公務員法に基づき、定年はそれぞれ60歳〜65歳に設定されています。このルールに従い、定年制度導入後の初日から適用されることとなります。

まとめ

失職は公務員において多岐にわたる理由で発生します。公職への立候補、被選挙権喪失、任命解除、不信任、リコールなど、法的な手続きに基づく失職は、公務員そのものの信頼性や透明性を確保するための大切な制度です。

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