休車

休車とは

休車（きゅうしゃ）とは、一般に鉄道車両や自動車などの車両が本来の役割を一時的に停止している状態を指します。これは、乗客や荷物の運搬を行わないこと、つまり車両の使用を一時的に中止していることを意味します。

廃車との違い

休車と廃車は異なる概念です。廃車は車両の車籍（登録）が抹消され、車両自体が廃棄されることを指します。一方、休車は使用を停止しているだけで、登録は維持されたままであり、整備や点検、故障修理などのためのケースが多いのです。場合によっては、廃車を目的として休車にすることもありますが、休車の状態が続いている限り、廃車とはいえません。

日本の鉄道における休車の分類

日本の鉄道業界では、かつて国鉄（日本国有鉄道）において休車が制度化されていました。当時は、再使用を前提とした特別休車および第一種休車（通称一休）、そして廃車を前提とした第二種休車（通称二休）という分類が存在しました。これらの分類について以下に詳しく説明します。

特別休車

特別休車は、30日以内に設定される休車のことです。通常、交番検査の回期を調整するために利用されることが多いです。特定の車両が一時的に運行を休止することで、検査スケジュールを調整する目的があります。

第一種休車

第一種休車は、将来的に使用予定がない車両や使用頻度が低い車両を対象にしており、その期間は30日から最大48か月まで可能です。この措置により、車両の走行距離や期間に基づく検修時期が延長されることがあります。例えば、夏季の間に使用が少なくなる石油系タンク車が、第一種休車の対象となることがあります。

第二種休車

第二種休車は、再利用の見込みがない車両に適用されます。第一種休車と異なり、休車の期間に制限はありません。譲渡などの目的で運行可能な状態にある車両もあれば、老朽化が進んで廃棄予定の部品取り車両として利用されることもあります。第二種休車は本来、再使用される見込みが薄い輸送機関であり、指定されて以降再び運用に戻ることはほとんどありません。

事業者による呼称の違い

日本の鉄道事業者によっては、「休車」という言葉を使用せず、独自の呼称を用いることがあります。たとえば、JRグループでは、国鉄分割民営化後に「保留車」という名称が使われています。廃車前提や再使用前提など、具体的な状態は一見わかりにくいことが多いです。

JRグループの例

JR北海道のキハ160形気動車は、一時的に保留車とされていましたが、実際には定期検査が施されて運行されていたため、第一種休車としての扱いに近い状態でした。

東急電鉄の呼称

東急電鉄では、運用から外れた車両を「緊急予備車」または「休止車両」と呼びますが、これらは明確に区別されています。緊急予備車は、稼働車両が故障した際に代替可能な状態で保たれている車両です。一方、休止車両は、役割が明確に定義されない車両です。

京阪電気鉄道のケース

京阪電気鉄道では、編成から外された車両を「半端車」と呼んでいます。このように、事業者ごとに車両の状態を示すための言葉が異なり、理解が必要です。

以上のように、休車は鉄道車両や自動車の一時的な運用停止を示す重要な概念であり、その管理や運用は各事業者によって様々です。

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