会合衆

会合衆（えごうしゅう、かいごうしゅう）

会合衆は、室町時代から安土桃山時代にかけての日本の都市において、自治を推進する重要な役割を果たした評定組織です。この組織は特に堺市において発展し、同地の有力商人たちにより構成されました。また、特定の都市の商業活動を取り扱うための組織として、その存在は他の地域にも見られました。

誕生の背景

会合衆の名称は、寺院における集会を示す「集会」から派生したとされています。堺における会合衆は、地元の有力商人たちによって形成され、山田（伊勢）、大湊（伊勢）、博多、酒田といった他の都市でも類似の組織が存在していたことが確認されています。これにより、商業活動が活発な都市同士の交流や競争が生まれ、互いに自治を行うための体制が整えられたのです。

堺の会合衆

堺において会合衆の存在が文献に初めて現れたのは、1484年に書かれた『蔗軒日録』によります。この文書には、三村社の祭礼において会合衆の二人の代表者が頭役を勤めたことが記されています。このことから、会合衆の数は当初は36人とされるものの、文明年間では10人であったという記録も存在します。この中で特に意味を持るのが「納屋衆」という倉庫業に携わる者たちであり、彼らが訴訟を評定したという記録も残されています。

会合衆は、堺の二つの地区、摂津の堺荘と和泉の堺南荘の各地に集会所を持っていました。堺荘の会所は「北庄経堂」と名付けられましたが、正確な場所は不明です。一方、堺南荘の会所は開口神社の境内にあった念仏寺（廃寺）であったと考えられています。これらの会所では、堺の商人たちが集まり、地域の問題や商業活動について討論しました。

他都市との比較

伊勢の山田には「山田三方」と呼ばれる年寄による自治制度があり、大湊にも同様に会合衆の形で自治組織が存在しました。また、博多では12人の年行司が町を整理し、庄内酒田には町政を監督する36人衆がいました。これらの組織はそれぞれの地域に特化した形での自治を実現しており、日本各地での自治制度の多様性を物語っています。

外国の視点からの評価

1556年に日本に来た宣教師ガスパル・ヴィレラは、堺の状況を観察し、1561年に書いた書簡の中で「この町はベニス市の如く執政官によりて治められ」と述べています。この「執政官」は、いわゆる会合衆を指し、当時の堺がいかに組織的に自治されていたかを示す重要な記録となっています。

結論

会合衆は、室町時代における日本の都市自治の象徴的存在であり、商業活動が盛んな堺を中心に重要な役割を果たしました。この組織は、貴族や武士といった伝統的な権力構造とは異なる形での自治を実現し、商人たちが政策決定に携わることを可能にしました。

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