会式二年型飛行機

会式二年型飛行機について

会式二年型飛行機は、大日本帝国陸軍の軍用機として開発された航空機で、臨時軍用気球研究会によって設計され、1913年に製造されました。この飛行機は、安定性の高いモーリス・ファルマン MF.7を参考にした設計と、会式四号機の設計を組み合わせたもので、推進式の複葉機です。

開発の背景

会式二年型飛行機の開発は、1913年に始まりました。製作担当は、徳川好敏陸軍大尉から沢田秀陸軍中尉と長沢賢二郎陸軍中尉に交代し、二人の設計を元に機体の製作が行われました。各機体の製造は、臨時軍用気球研究会と陸軍砲兵第一方面内砲兵本廠にて行われ、それぞれ一機ずつ製作されることになりました。

機体の特徴

会式二年型飛行機は、木製の骨組みに羽布を張った構造を持ち、全長は11.00メートル、全幅は15.50メートル、全高は3.66メートルという大きさです。また、翼面積は44.1平方メートルであり、自重は485キログラム、全備重量は765キログラムです。搭載されたエンジンは、陸軍砲兵工廠で試験的に国産化されたノーム製の空冷回転星型7気筒エンジンで、公称出力は70馬力です。

設計には数々の工夫が取り入れられており、特に操縦席を覆うナセルの設置や燃料タンク容量の増加などが挙げられます。ただしエンジンは、モーリス・ファルマンに搭載される国産のルノー製エンジンに比べて信頼性が低く、結果として会式二年型飛行機は五号機と六号機の二機のみが製造されました。

運用について

会式五号機と六号機は、どちらも1913年の秋に完成し、陸軍によって偵察機などとして運用されました。同年11月、名古屋で行われた陸軍特別大演習に参加した際には、モ式三年型飛行機4機と一緒に活動しました。しかし、演習中に徳川大尉が操縦する会式五号機はエンジン故障により不時着事故を起こし、大破する事態が発生しました。幸いにも、徳川大尉と同乗者1名は無事で、その後、機体は修復されました。

まとめ

会式二年型飛行機は、大日本帝国陸軍の航空機開発の一環として誕生した貴重な存在であり、当時の技術の進展を象徴しています。特に、航空機の設計や製造における日本独自の試みが反映された機体として、今後も興味深い研究素材となるでしょう。

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