会昌

会昌（かいしょう）は、中国の唐王朝において、武宗皇帝の治世で使用された元号です。具体的には、西暦841年から846年までの6年間を指します。この短い期間に、唐王朝の歴史における重要な出来事が発生しました。

会昌年間において最も特筆すべきは、仏教に対する大規模な弾圧、いわゆる「会昌の廃仏」が行われたことです。唐王朝は、初期には仏教を保護し、寺院の建立や僧侶の活動を支援していましたが、次第に仏教勢力の増大を警戒するようになりました。寺院は広大な土地を所有し、免税特権を有していたため、国家財政を圧迫する要因となっていたからです。また、僧侶の数が増加し、社会秩序を乱すという懸念も生じていました。

武宗皇帝は、道教を信奉しており、仏教勢力の排除を企図していました。宰相の李徳裕らの支持を得て、845年に大規模な廃仏政策を断行しました。この政策では、全国の寺院が破壊され、仏像や仏具が没収され、僧侶や尼僧は還俗を強制されました。寺院の土地は没収され、国家財政の立て直しに充てられました。

会昌の廃仏は、中国仏教史上、大きな転換点となりました。多くの寺院が破壊され、仏教文化が衰退しました。しかし、武宗皇帝の死後、後継の宣宗皇帝によって仏教は再び保護されるようになり、徐々に復興していきました。

会昌の廃仏は、中国の歴史における「三武一宗の法難」の一つとして知られています。三武一宗とは、北魏の太武帝、北周の武帝、唐の武宗、後の世宗という、仏教を弾圧した4人の皇帝を指します。これらの皇帝による仏教弾圧は、中国仏教の発展に大きな影響を与えました。

会昌という元号は、短い期間ではありましたが、中国仏教の歴史において重要な意味を持つ時代を象徴しています。

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