会津交通

会津交通株式会社

会津交通株式会社（あいづこうつう）は、福島県会津若松市を本拠地とする交通事業者です。会津地方を中心に、地域の重要な交通インフラを担うべく、タクシーや貸切バス、さらに地域住民の生活を支えるコミュニティバスの運行など、幅広い事業を展開しています。

沿革

会社の歴史は1953年8月6日にさかのぼります。この日、「株式会社若松タクシー」として設立され、資本金1,000万円で事業を開始しました。設立から間もない1954年6月には、現在の社名である「会津交通株式会社」に商号を変更しています。

事業拡大に伴い、会津地方の各地域に営業所を開設していきました。1955年8月には東山営業所、1960年5月には芦ノ牧営業所、そして1969年9月には亀賀営業所が設けられました。経営基盤の強化も図られ、1965年2月には資本金が2,000万円に増資されています。

交通事業の多角化も積極的に進められました。1987年3月には貸切バス事業に参入しており、これは前年の1986年12月に認可を受け、当初は小型バス2台で開始されました。営業所の再編も行われ、1991年3月には一ノ堰営業所が開設されると同時に東山営業所が廃止されましたが、一ノ堰営業所も1998年10月には廃止となっています。貸切バス事業は順調に拡大し、1999年12月には大型貸切バスの認可も取得しました。

新たな法制度にも対応し、2001年9月には道路運送法第21条に基づく乗合旅客運送、いわゆる「21条バス」の認可を受けました。これが地域密着型のサービス展開につながり、2001年10月からは磐梯町より町内生活福祉バスの運行を受託しています。2002年3月には町北営業所が新たに開設される一方、亀賀営業所が廃止されるなど、営業体制の見直しが進められました。

M&Aによる事業拡大も図られており、2003年1月には旭タクシー株式会社を吸収合併し、これを田島営業所としました。さらに2005年4月には合資会社西会津タクシーを吸収合併し、西会津営業所を開設しています。

本業の交通事業に加え、関連分野への進出も見られます。2003年7月には訪問介護事業に参入し、福祉分野でのサービス提供を開始しました。2006年8月には特定労働者派遣事業の届出を行い、人材サービスにも関与しています。さらに2007年4月には居宅介護支援事業の認可も取得し、高齢者の生活を多角的にサポートする体制を整えました。

近年の動きとしては、2009年4月1日に南会津町舘岩地区におけるタクシー事業を会津高原タクシー有限会社から継承し、舘岩営業所を開設しています。この事業継承には、株式会社会津高原プロジェクトが運行していた舘岩地域生活交通バスの受託運行も含まれており、地域の交通空白を埋める役割も担っています。同年7月には下郷営業所も開設され、サービスエリアをさらに拡大しています。

事業内容

会津交通は主に以下の事業を展開しています。

タクシー事業: 会津地方全域をカバーするタクシーサービスを提供し、地域の主要な交通手段の一つとなっています。
貸切バス事業: 小規模から大規模まで、多様なニーズに対応できる車両を保有し、観光や団体輸送などに利用されています。大型バスの認可も取得しており、幅広い用途に対応可能です。
* 路線バス事業: 磐梯町より委託を受け、町内を運行するコミュニティバス「磐梯町町内生活福祉バス」の運行を担っています。これは地域住民の日常生活における重要な足として機能しています。

その他の事業

交通事業以外にも、福祉分野として訪問介護事業や居宅介護支援事業、さらには特定労働者派遣事業なども手がけています。

関連会社

関連会社として、旅行業を営む会津交通観光株式会社があります。これは、会津交通の交通サービスと連携し、旅行客への多様なサービス提供を可能にしています。

会津交通株式会社は、その長い歴史を通じて、会津地方の交通と地域社会の発展に貢献し続けています。多岐にわたる事業展開は、変化する時代のニーズに応えようとする会社の姿勢を示しています。

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